本社MD部 A子

ねぇ、オシャレ好きなA太は、
着なくなった服ってどうしてる?

1シーズン着た服はもう着ないから
メロカロに出してる。

えーなにそれ!モデルかよ。
もったいなーい。私にちょうだいよ。

A太が捨てるって言わなくてホッとしたわ。
じつはね、日本の衣料廃棄量なんだけど、年間で100万トン、
枚数に換算するとなんと33億着なんだって。

日本の人口が1.2億なのに、
そんなに捨てられてるわけ? 多すぎない?

色ごとに積み上げられた廃棄衣類の山

本社商品開発部 A吉

A美〜、だろ〜。この数ちょっとひどいよなー(泣)
俺の汗と涙と愛を注いで仕上げた生地が、
命を全うせずに捨てられてるかもしれないと思うと
切なくて泣けてくるぜ(涙)

だって、洋服買うの好きなんだもん。
でも、ぼくは捨ててないから。

生地をつくってる私たちにも重要な課題ね。
洋服を作るときにも、裁断くずや落ちワタとか結構たくさん出るのよ。

で、この事態を打開する生地を開発したのね?

そうなんだ。俺の分身ともいえる愛する生地たちを、
もう二度と死なせたくない!って思ったんだ。

何を言っているのか、正直わかりません。

あー、A吉がめんどくさいテンションになってるから私が話す。
洋服をつくる工程で出る繊維ゴミの量なんだけど、
ざっと見積もって、年間120万トンにもなるのよ。
糸をつくる時に出る落ちワタや、
裁断したときに出る裁断くずのほかにも、
紡績工場で出る余った糸とかね、各工程でそれぞれ出るの。
どれも工場からだからその量も大量になるのよね。

裁断くずや残糸をほぐして、もう一度綿状に戻す「反毛工程」

それを再利用しようってわけなんだね。

そ! 大量の繊維くずがあるなら、
もったいないからそれを使おう!ってことよ。
くずっていったって、高品質な繊維には変わりないし。

各工程で出た繊維くずをきちんと集めて、
もう一度コットンやウールに生まれ変わらせるのよ。
生地には循環とか繰り返しを意味するLOOPと名付けたわ。

これはゴミが減りそうだね!

こういう風に、資源を使い続けて廃棄物を減らす
「循環する経済の仕組み」のことを、英語では
サーキュラーエコノミー (Circular Economy)
っていって、いま欧米の企業の間でトレンドになっているわ。

そうだな。
だけどよ、日本ではそんなの江戸時代からやってるっつーの。
着物はほどいて仕立て直して何度も着たし、小さくなったら
子供用に作り直したりして雑巾になるまで使って、最後に
燃やして灰になったら、畑にまいて肥料にしてたんだ。完璧だぜ。

A吉の子供のころの話かしら。
もったいない精神ってやつね。うちでも親によく言われるわ。

日本ってすごいんだね! ぼくも着れなくなった服、
これからはリサイクルに出そうっと!

俺は、一切の繊維くずをゴミ処理場に送ることなく、
すべての繊維くずの再生、再利用を実現するぜ!

そだね。がんばろう。
で? LOOPにはどんな特徴があるの?

色のついた裁断くず・繊維くずを再利用することによって
独特な色合いを表現出来たり、短い繊維が入っているから、
自然なムラ感のある、心地よい風合いが生まれる
生地に仕上がっているわよ。

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