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ICタグ

棚卸しや物流作業を効率化
商品情報を記録するICチップと、無線通信用の小型アンテナを組み合わせた、小さなタグのこと。下げ札やシールなどに組み込まれ、これらに専用の機器を近づけて商品情報を読み取る。アンテナが受信した電波を電力に変換し、ICタグの情報をアンテナに送る仕組み。バーコードと違って少し離れた距離からでも情報を読み取ることができるので、専用機器を持って倉庫や店舗内を歩くだけで棚卸しを完了させたり、箱内の複数の商品を一瞬で読み取って入出荷作業やレジでの精算を効率化することが可能。

アウトレットモール

在庫品などを割引販売するSC
季節外商品を含む売れ残った商品や、実用上は問題がない欠格品の在庫などを、通常価格よりも割り引いて販売する店舗を集積してモールを形成したショッピングセンター(SC)のこと。1980年代にアメリカで生まれた小売り業態。日本では米国企業が三菱地所などと組んで御殿場プレミアム・アウトレットを2000年に開業して以降、ブームとなった。日本ショッピングセンター協会によると、2019年7月現在で物販が10店舗以上ある国内のアウトレットモールは38施設で、観光地型と大都市近郊型がある。

様々な植物から採れ、種類もいろいろ
夏の衣類やハンカチ、テーブルクロスなどによく使われている麻。硬くて粗く、さらさらして通気性が良いことが特徴。植物の茎の皮=靭皮(じんぴ)や葉脈から採れ、リネン(Linen、亜麻)、ラミー(ramie、苧麻)、ヘンプ(hemp、大麻)、ジュート(jute、黄麻)などの種類がある。実はこれら、学術上は全く別の植物。例えば、リネンの原料となるフラックスは涼しい地方で栽培される亜麻科の1年草、ラミーは高温多湿で育つイラクサ科の多年草。家庭用品品質表示法で「麻」と表示できるのはリネンとラミーとなっている。ヘンプやジュートなどは「指定外繊維(繊維名)」だったが、法改正により2018年4月1日に「植物繊維(繊維名)」となった。

アセテート

絹のような光沢の半合成繊維
植物由来の天然繊維の性質と合成繊維の繊維の性質を併せ持つ半合成繊維。主原料となるパルプに酢酸を化学結合させて作られている。最大の特徴は、絹のような光沢。繊維断面がクローバーのような形で側面に多くの溝を持つため、深みのある鮮明色が得られる。酢酸が多く結合したものをトリアセテート(三菱ケミカルのみが製造)、それ以下のものをジアセテート、もしくは単にアセテートと呼ぶ。トリアセテートは婦人服、ジアセテートは表地や裏地、ジアセテートのステープルはたばこフィルターに使われている。

圧着加工

加熱プレスで生地などを接着
合繊系の生地と生地を加熱式のプレス機で重ねたり、つないだりする加工技術。その進化が注目されている。生地と生地をシームレステープでつないで圧着加工で接着したり、樹脂の薄型ボタンを生地に圧着加工で装着する技術などもある。縫製しないため、時間とコストを削減できるほか、生地と生地、生地と資材のつなぎ目がないフラットに近い状態で仕上げられるため、デザインを邪魔しないなどのメリットがある。生地にブランドロゴなどを貼り付けることも多い。

後染め

生地の段階で染める反染め、布染め
piece dyeing。生地になる前の段階で染色することを先染め、これにに対して生地の段階で染色することを後染めと言う。そのため反染め、布染めとも呼ばれている。1種類の素材で作られた生地(単一素材)の後染めは1色に染まるため、無地染めと言われることもある。生地を染液に浸して染色するので、大量の生地を連続で加工することが可能。そのため、先染めに比べて低コストで短納期だが、色の深みが出にくいという側面がある。広い意味では、捺染(textile printing=プリント)や製品染め(garment dyeing)も後染めに含めることがある。

アニュアル(ANNUAL)

サステイナブルなメリノウールで物作り
自然や動物、人に優しいサステイナブルな素材、メリノウールいよる三井物産アイ・ファッションの生地ブランド。使用しているのは、ニュージーランド南部の高山地帯で育った羊から採れる「クイーンズタウンウール」。一般的な羊よりもクリンプが深く、より多くの空気を含むことから年間を通して快適な温度に保たれる。吸放出性にも優れるため、冬は暖かく夏は快適。ミュールジングを行わず、環境にも配慮されている。限りある資源を有効に使い、長年愛用できる確かな品質にこだわった「毎年」変わらない物作りを目指すブランド。

アニリン仕上げ

革の表情を生かす染色仕上げ
革の染色・仕上げの方法。染料を革に染み込ませて色をつける。アニリンは石油を原料に作られる合成染料で、たんぱく質系の結合剤で着色する。銀面(革の表側)の表情を生かし、透明感のある風合いに仕上げることができ、カーフやキップなど高級革に用いられている。欠点は、塗膜の耐久性が低く、水などに濡れるとしみになりやすいこと。革のきずや色むらを隠したい時には、顔料仕上げが用いられる。不溶解性の顔料と合成樹脂を使うことで、塗膜を厚くし、耐久性を持たせることができる。

アノラック

フード付きのスポーツジャケット
anorak。防寒・防雨用のフード付きスポーツジャケットの総称。軽量の布地やキルティング生地を使い、丈はウエストから膝丈まで様々ある。名称はグリーンランドに住むイヌイットが衣服をアノラックと呼んでいたことに由来し、もともとはトナカイや白クマ、アザラシなどの毛皮で作ったコート型の上着ことだった。一般に普及したのは1924年、英国のエベレスト登山隊が着用してからと言われている。同義語にパーカ(parka、parkha)、ウィンドブレーカー(windbreaker)、ヤッケ(jacke)など。

編物

用途に応じた横・経・丸編み
編物は、糸で作られたループを次々と連結させることで組織を作っていく。経糸(たていと)、緯糸(よこいと)を直角に交差させて組織を構成する織物とは対照的。織物に比べ、伸縮性があり、しわになりにくい、という特徴を持っている。編み方は手編みと機械編みの2種類。機械編みは、毛糸などでセーターやカーディガンを作る横編み、合繊素材を主としてインナーやスポーツに多用される経編み、横編みの一種だが綿を中心にアウターや肌着向けが多い丸編みの3つに大別される。丸編みのうち、筒状の生地を切り開いて裁断・縫製するものはカットソー(カット&ソーン)と呼ばれる。

アラミド繊維

高度かつ多様な機能を持つスーパー繊維
aramid fiber。アラミド繊維は三大合成繊維の一つであるナイロンと同じ、アミド結合によってできたポリマー「ポリアミド」。1960年代に開発された。しかしナイロンの脂肪族ポリアミドとは化学構造が異なる芳香族ポリアミドであることから、米連邦通商委員会(FTC)が、1974年にナイロンと区別してアラミド(aramid)とした。77年には国際標準機構(ISO)が人造繊維に分類している。高強度で軽量、高耐久性、衝撃吸収性、非導電・非磁性、電波透過性といった高度かつ多様な機能を持つスーパー繊維。タイヤの補強材、光ケーブルの補強材、プリント基板、防弾チョッキなど、さらに建設分野でも幅広く用いられている。

アランセーター

漁師のセーターが起源
aran sweater。漁師の仕事着を起源とするセーターの総称であるフィッシャーマンズセーターの一種。アイルランド西方のアラン諸島で発祥したとされる。昔から漁業が盛んだったことから、防水・防寒を目的として、脱脂していないウールを原料に編んでいる。デザインの特徴は、縄状の編み柄がが多いこと。通説では「大漁を願う意味が込められている」「漁で遭難死した際に個人識別するための家紋の意味合い」などとされている。

有松・鳴海絞

多数の技法で多様な柄を表現
名古屋市の有松・鳴海地区で約400年前に始まった絞り加工。絞り加工は世界中にあるが、有松・鳴海絞の特徴は、糸によるくくりや縫製処理など多数の技法が存在すること。そのため、柄の表現も無地に近いものから大柄、立体的なものまで様々ある。技術の海外移転と産地縮小で厳しい環境にありながら、多様な柄表現を魅力に感じた若い工芸作家や絞り職人が産地に定着し始めている。生活関連用品への活用や輸出も注目されている。

アンコン仕立て

軽やかに羽織れる一枚仕立て
アンコンとはアンコンストラクテッド(unconstructed)の略で、構築的ではないことを表す。芯地や裏地、肩パッドなどを省いて体によく馴染む一枚仕立てのことを言う。シャツ感覚で羽織るジャケットはこの仕立てによるもの。伝統的なテーラードジャケットはフル毛芯や肩パッドを入れて鎧(よろい)のように構築的な作りだが、時代や職場環境の変化、温暖化など気候の変化を背景に、軽やかな一枚仕立てが求められるようになった。その中で、素材使いなどで一枚仕立てでも構築的に見えるジャケットも研究され始め、2019年春夏のメンズで注目されている。

アンサンブル

組み合わせて着ることを意図したもの
ensembleとは調和、統一などの意。音楽でよく使われる言葉で、2人以上の調和のとれた合奏や合唱のことを指す。ファッションでは、色や素材、柄などを調和させ、組み合わせて着ることを意図して作られたもの、という意味。コートとドレス、ジャケットとドレス、ブラウスとスカート、カーディガンとプルオーバーなどの組み合わせが代表例。レディスのブラックフォーマルでは、ジャケットとドレスのアンサンブルが基本スタイルとして定着している。

アンテナショップ

自社ブランド・商品のショールーム兼店舗
ファッション分野では、主にメーカーや卸などの店舗を持たない企業が、人通りの多い路面や商業施設に常設や期間限定で設置するショールーム兼店舗のことを言う。自社商品を展示販売することで、消費者の声を収集し、商品の改善や新企画の立案に役立てることが大きな目的。売り場作りや管理方法、販促などのノウハウを積むこともでき、取引先への提案の精度を高めることも期待できる。小売りチェーン店で同様な役割を担っているのが旗艦店で、ここだけの限定品の販売などが行われている。

アンドロジナス

注目される両性具有的なファッション
男女両性の特徴を持つこと。異性が身につけるものの要素を取り入れた両性具有的なファッションを意味し、2019年春夏のトレンドとして浮上している。「ジェンダーフルイド」(揺れ動く性差)、「デュアル・セクシュアリティー」(両性性)など、デザイナーが挙げるキーワードもアンドロジナスを意識したもの。男性モデルに女性の服を着せたり、女性モデルにマスキュリンなテーラードを着せたり、ジェンダーレスモデルを起用したショーも散見されるようになった。新しい女性像を描く概念として脚光を浴びている。

アンブッシュマーケティング

大型イベントに便乗する商法
ambush marketing。アンブッシュとは「待ち伏せ」のこと。マーケティングと組み合わせると便乗広告、便乗商法の意味になる。大きなイベントで、主催者と契約を結んでいないのに、公式スポンサーであるかのように関連商品の宣伝・販売をすること。例えば五輪に際して、権利を保有しない団体や個人が大会の名称やロゴを使用したり、「祝!東京五輪開催」「目指せ!金メダル」のようにイベントを連想する用語を使ったりすると、権利者から損害賠償請求や使用差し止めを求められる可能性がある。

RFM分析

有効なアプローチのための顧客分類法
Recency(直近の購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)の頭文字を取った顧客分類方法。3つの指標で優良顧客、新規顧客、安定顧客、休眠顧客などに分けることで、それぞれの顧客層への有効なアプローチを検討・実行することができる。ただし、普段はあまり購買がなく、分析日の直近に高額のお買い上げがあったお客様も優良客に分類されるので要注意。他にもFB業界では、購買金額の上位から10等分し、それぞれの購入比率や売り上げ構成比などからグループ化するデシル分析も行われている。

色泣き

染めた部分から白場、淡色部へ染料が移る
bleeding。染色あるいは捺染された部分から、未染色あるいはより淡く染色や捺染された部分へ湿潤状態で染料が移行し、その部分を汚染する現象。特に染色や捺染された部分の染料濃度が高く、湿潤堅牢度が低い場合に発生する。反応染料による染色物の場合は、ソーピング不良による未固着染料の除去不十分や、大気中の酸性ガスによる繊維と染料間の結合の解裂を原因として起こる。これを防止するには、染色や捺染後の洗浄を十分に行うことやフィックス処理の徹底が必要。JISによる試験法はなく、大丸百貨店が開発した大丸色泣き試験法が一般に行われている。

インクルーシブデザイン

多様な人たちを巻き込んで作り上げる
inclusive design。これまではターゲットにされていなかったり、軽視されていた人たちを巻き込んで、その意見を吸い上げてモノやサービスを作り上げるデザイン手法。例えば高齢者や障害者、外国人など、従来のデザインプロセスに入れていなかった多様な人々のアイデアや意見を取り入れることで、潜在的な課題を発見し、健常者も含めた誰もが使いやすいデザインを生み出す取り組みがある。これらの人々のことをリードユーザー、エクストリームユーザーと言う。

インライン

メーカーのカタログ掲載モデル
別注品や地域・店舗限定モデルなどを除く、メーカーが製品カタログに掲載しているもの、または展示会で小売店から受注する製品全般のことを主に言う。語源は不明だが、小売店ごとの色や仕様の変更対応が増えたことから、カタログ掲載品と区別して呼ぶようになった。企業によっては、海外のライセンサーやブランドホルダーが企画した輸入商品を、国内製造品と区別してインラインと呼ぶこともある。

インレイ編み

緯糸を挿入して編み立て、素材感を表現
inlay stich。インレイとは「はめ込む」ことを意味し、編み物では横編みや丸編み、経編みなどのニット生地を編成(編み立て)する時に、緯糸を挿入する編み方を言う。例えば、緯糸にテープ状やリング状の意匠糸、太番糸など様々なタイプの糸を組み込むことで、ニットでありながら織物のようなハリ、起毛のような風合いなど、レギュラー糸では表現できない素材感を得ることができる。よりインレイ編みを生かす新機種も発表されるなど、注目が集まっている。

ウエストポイント(ウエポン)

軍制服から生まれた丈夫で光沢あるチノ
米国の陸海軍の制服地を基準にしたチノクロスの一種。通常のチノより細番手で、打ち込みがしっかりしており、光沢感があって、摩擦にも強い。双糸の綿コーマ糸使いで、陸軍規格は経糸35番手双糸、緯糸25番手双糸、幅40インチ、打ち込み本数108×60本。米国ではユニフォーム・ツイルと呼ばれている。日本での呼び名は、この制服を使っていた陸軍士官学校がニューヨーク州ウエストポイントにあったから。略してウエポンと呼ぶこともある。戦後の代表的な輸出織物の一つだった。

ヴォルテックス

独自構造で機能性のある糸
機械メーカーの村田機械が生産している精紡機、それによって作られる糸の名称。綿やレーヨン、ポリエステル短繊維などの紡績に使われる。空気の旋回流によって、中心から外側に向かって繊維がらせん状に撚り込まれることで糸になる。表面の毛羽が少ない糸に仕上がり、高い抗ピリング性や吸湿速乾性を発揮する。ハリ・コシもあり、サラッとしたタッチの糸になるため、カジュアル、インナーに加え、スポーツウェアなどに使われるケースも増えている。一般的なリング精紡機の20倍以上という高い生産性も特徴。

ウォントスリップ

顧客の声に潜む「理由」を売り場作りに
顧客に直接聞いて、生の声にすぐに応えるためのシステム。購買実績はPOS(販売時点情報管理)データなどで分かるが、なぜ買わなかったのかは顧客に聞かなければ分からない。顧客の声に潜む「理由」を知るには、ウォントスリップの情報が最も重要になる。バイヤーはウォントスリップを分析し、販売員と対話しながらフィードバックすることで、顧客の要望や変化に対応した売り場作りにつなげていくことが可能になる。現在はウォントスリップも紙への記入から端末への入力に替わり、情報共有が容易になった。

裏地

スーツなど衣服の裏に使う布地。表地の補強や、滑りを良くして着脱しやすくする役割がある。他にもシルエットをきれいに保ったり、表地の透け防止や保温のためにも使われたりするファッションの脇役だ。生地は、ボリュームゾーンのスーツには主にポリエステルの後染め織物、高級品になるほど吸放湿性に優れ、より滑らかで上質な風合いを備えるシルクやキュプラ「ベンベルグ」が使われている。ベンベルグ100%でも染色加工の工程で工夫し、伸縮性も備えたものもある。ベンベルグの先染めジャカードは、高級ブランドやオーダーのスーツ用に選ばれるケースが多い。

ウーリー糸

ウールのような伸縮性や嵩高性を持つ加工糸
フィラメント伸縮加工糸や嵩高加工糸と呼ばれ、ナイロンとポリエステルがあり、高伸縮や低伸縮のタイプがある。その特徴は、ウールのような伸縮性と嵩高性、保温性、吸湿性。合繊の熱可塑性を利用し、フィラメント糸に撚りをかけて熱固定した後に撚りを戻すことで、これらの性質を付与する。ニット製品や水着など伸縮性の高い衣料の縫製用ミシン糸に使われるほか、温かみや適度なハリ・コシ感、立体的な柄表現などのために織物や編み地に用いることも。合繊で天然素材調の表現が拡大する中、ウーリー糸はトレンド素材の一つとして注目されている。

ウール

とスケールが生み出す不思議な性質
wool。羊から採取した毛。よじれながら波打つような縮れ(クリンプ)があり、表面はスケールと呼ばれるうろこ状の構造に覆われている。クリンプとスケールが、撥水性や伸縮性、嵩高性や吸湿性と放湿性、断熱性と通気性といった不思議な特性を生み出している。繊維の太さ(繊度)はミクロン(1ミクロン=1マイクロメートル=1000分の1ミリメートル)で表示。最も細いものは約10ミクロンで、通常の衣類には20ミクロン前後のものが使われている。世界で最も多く産出されているメリノ種は主に豪州で飼育され、白く、繊維が細くて適度に長く、衣料に適している。

英式紡績

希少性が高い梳毛紡績
英国産ラスター羊毛及び長羊毛用に開発された紡績方法。梳毛紡績は、羊毛やカシミヤなど太さや長さがまちまちな動物繊維を、できるだけ均質な繊維にして糸を作る。そのため梳毛紡績には、繊維をくし(コーム)で引き揃えるコーミング工程が必須となる。英式紡績は繊維を徐々に細くしていく梳毛工程などの粗紡段階が長いことが特徴。繊維が長いカシミヤなどの長毛繊維、様々な原料を組み合わせる意匠糸の生産に適している。しかし生産性が低いため、効率の良い仏式精紡機に取って代わられ、現在は希少性が高い方式となっている。

エコテックススタンダード100

繊維製品の安全性の国際基準
繊維製品に人体にとって有害な物質が含まれていないことを証明する国際的な安全基準。糸、生地、副資材などの素材から、染料や助剤などの化学薬剤、最終製品、排水や労働環境なども含めた、企業や工場の生産体制、トレーサビリティー(履歴)まで幅広く認証する仕組み。用途によって分類され、乳幼児向けには最も厳しい基準が設けられている。1992年に発足したエコテックス国際共同体が欧州で認証を始め、日本ではニッセンケン品質評価センターが国内唯一の認証機関となっている。

SKU

最小単位で管理し、在庫・売れ筋をつかむ
Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)の略。在庫管理を行う時の最小の単位のこと。単品で管理するために、品目をデザインやサイズ、色などで細分化して分類する。例えば1デザインのブラウスに対して、カラーがホワイト、ブルー、レッド、ブラックの4色、サイズがS・M・L・LLの4種類がある場合。色ごとに4サイズあるので、このブラウスのSKUは16となる。在庫管理はSKUごとに行われ、補充や発注もSKUごとに行われる。品目ごとの商品管理では大まか過ぎて売れ筋や在庫を把握しきれないことがあるため、SKUを活用する。

SC

物販10店舗以上で構成される商業施設
ショッピングセンターの略。運営する企業(ディベロッパー)と出店企業(テナント)が不動産賃貸契約を結び、複数の店舗で構成される商業施設。日本SC協会では、①小売業(物販)の店舗面積が1500平方メートル以上、②核店舗を除くテナントが10店舗以上などをSC(ファッションビル、駅ビル、地下街などを含む)の基準としている。同協会によると、2019年6月末のSC総数は3232施設。

SCM

ファッションビジネス全体の経営管理手法
Supply Chain Management(サプライ・チェーン・マネジメント)の略。素材や資材の調達、商品の生産、小売りを通じて最終消費者の手に渡るまでの流れを総合的に管理し、全体の効率化や最適化を実現するための経営管理手法。アパレル業界は素材や製品の生産過程が複雑で、多くの企業が関わっている。また、素材調達や製品の生産は国内だけでなく、中国・アジアを中心に世界に広がっている。これを適切に管理することで、納期の短縮や生産・物流コストの削減、在庫の適正化につなげていくことがSCMの目的だ。近年はIoT(モノのインターネット)技術を活用した管理が広がっている。

SDGsウォッシュ

実態を伴わないSDGs活動
環境問題への取り組みは今や必須。SDGs(持続可能な開発目標)の17のゴールの実現へ向けた活動が世界的に展開されている。ところが、実態の伴っていない企業活動や製品・サービスも見られ、適正な活動と区別して「グリーンウォッシュ」と呼んでいる。「環境配慮」を意味する「green」と「白塗り、うわべだけ取り繕う」を意味する「whitewash」を組み合わせた造語。同様に、うわべだけのSDGs活動はSDGsウォッシュと言う。明確な基準はないものの、指摘されることで、消費者や投資家などステークホルダーとの関係の毀損(きそん)につながる可能性がある。

SPA

自社ブランドを売る専門店
Speciality store retailer of Private Apprelの略で、製造小売業と訳されている。もともとは自社ブランドを販売するアパレル専門店のことで、1987年にアメリカのギャップが自らの業態の説明として発表したのが始まり。日本では90年代に入って急速にSPA化が進み、アパレルビジネスの本流となった。ユニクロ、ザラ、H&Mが代表例。現在はアパレルメーカー発SPAと小売店発SPAがある。近年はアパレル以外でも製造小売りする事業形態をSPAと呼ぶこともある。

NB

メーカー発、知名度のあるブランド
National Brand(ナショナルブランド)の略。一般的には全国的に知れわたっているメーカーブランドを指し、大手の家電や食品などのメーカーなどが開発して全国に販売しているものがNBで、対義語がPB(プライベートブランド)。ファッション業界では、百貨店などで全国的に販売している国内の著名なメーカーブランドがNBと呼ばれてきた。メーカーと小売業の際が薄れる中で、小売業者によるSPA(製造小売業)化の進展もあって、最近では従来のようにNBとPBを区分けして呼ぶことは薄れてきている。

MD

適品、適時、適量、適価、適所
merchandising(マーチャンダイジング)の略。商品政策や商品化計画、あるいは品揃え計画のことを言う。どんなに良い商品でも、時期や場所を間違えると売れない。どんな商品を、いつ頃、どこで、どのくらい、いくらで、どうやって売るのか、計画に基づいた生産・販売が変化の激しいファッションビジネスには求められる。明確なターゲット設定のもと、どんな商品をいくらで求めているのか、いつ頃、どこで買いたいのか、どうすれば商品の価値が伝わるのか。適品、適時、適量、適価、適所は「MDの5適」とされている。

L/C

輸入者に発行される信用状
Letter of Creditの略語でL/C(エルシー)と呼ばれる。信用状のことで、貿易決済手段の一つ。輸入者は輸入地銀行にL/Cを発行してもらい、輸出地銀行を経由し、代わりに輸出者に代金を支払ってもらう。これにより、輸入者は前払いの必要がなくなるので資金負担を軽減でき、輸出者は確実に素早く代金回収ができる。ファッション業界は物作りの主体が海外に移っているため、製品を輸入する際に使われている。ただ、信用がなければL/Cは発行されない。発行手数料も発生するので、他の支払い方法と比べコストがかかるという指摘もある。

オックスフォードシューズ

米国と日本ではひも締めのシンプルな短靴
米国では一般的に甲部をひも締めにしたシンプルな短靴のことを指す。英国では、オックスフォードという場合は内羽根式のひも靴だけのことを示し、外羽根式はダービーシューズと呼んでいる。ギザ飾りのあるものはブローグで、これはもともとアイルランドで履かれた、粗革で作られた編み上げの短靴のことを指す。つま先はウィングチップで、メダリオンがあるのが特徴。日本でオックスフォードシューズと言う場合は米国と同様の解釈で、英国でブローグと呼ばれているものは一般的にウィングチップと呼んでいる。

オパール加工

織物に透かし模様を作る
日本独特の呼称で、英語ではバーンアウトと言う。セルロースが酸によって炭化し抜け落ちる性質を利用し、織物に透ける部分と透けない部分を作る加工のこと。酸に強いポリエステルやナイロン、シルクなどと、酸に弱い綿やレーヨンなどを複合した生地に、酸性の糊などで模様をプリントする。その部分を除去処理することで、酸に反応しない部分が浮き出てくる。見た目はレースのようで、炭化した生地の分だけ軽くなっているため、春夏物にぴったり。海外の素材展でも「日本の生地以外ではあまり見ない」と人気がある。

オフショルダー

フェミニンな肩見せデザイン
両肩が見えるネックデザインのことで、「オフショル」とも呼ばれる。2016年~17年春夏のレディスではオフショルダーのブラウスやカットソートップなどがトレンドになった。上部の生地にシャーリングを入れ、オフショルダーでも普通のネックラインでも着られる商品が主流。フェミニンだが肌の露出が多いため、生地がずり落ちないように太めのストラップを付けた商品もあり、比較的幅広い世代に支持されている。片側の肩だけ見えるワンショルダーを提案しているブランドもある。

オフプライスストア

他社在庫を仕入れ、低価格で販売
off price store。市場で過剰在庫となり、売れ残った商品を、専門店やメーカーから買い取り、定価よりも安く販売する業態。アウトレットストアは自社の在庫を販売するが、オフプライスストアは他社の在庫を仕入れて販売する点が異なる。米国で発祥し、近年になって業績が伸びており、今後も成長が期待されている業態。日本でも2019年4月末にゲオホールディングスの子会社のゲオクリアが横浜市に1号店をオープンし、注目されている。

オムニチャネル

いつでも、どこでも、、注文・受け取り可能に
omni-chanel retailing。オムニは「全て」、チャネルは「流通経路」の意味。消費者が最適な時間・場所・人から望む商品を購買できるように、あらゆるチャネルを統合・連携させること。商品情報をEC、店舗、SNSで提供し、いつでもどこでも注文でき、好きな時に好きな場所で受け取れる。ネットとリアルの垣根を越えたシームレスな購買体験を提供することで、顧客との結びつきを強める経営戦略と言える。商品を注文して自宅や近くのコンビニで受け取れる個客向けサービスから、地域、人種、言語の壁を越えるグローバル視点のサービスまで様々ある。

オンブレチェック

色の濃淡で表す、にじんだような格子柄
ombre check。オンブレはフランス語で、濃淡、陰影の意味。絵画などで色に段階的に濃淡をつけ、グラデーションを表すことを言う。この表現を生かしたのがオンブレチェック。色の濃淡が変化しながら隣り合う他の色と交じり合い、にじんだように見える格子柄のこと。カジュアルシャツに用いられることが多く、米国で1950年代に流行した。日本では2016年頃から土臭い雰囲気が逆に新鮮とブームになった。

OEM

自社ブランドの製造を外部に委託
Original Equipment Manufacturingの略で、「相手先ブランドによる生産」の意味。ファッション業界では、アパレルメーカーや小売業が、他社の製造を請け負う企業(商社やOEM受託企業など)にデザイン、納期、価格、数量などを指示し、材料の調達も含めて製造を依頼することを言う。自社ブランドを他社に製造してもらうことで、自前の工場を持つことによる固定費負担のリスクや、工場の手配・生産管理の手間などを軽減しながら、商品企画や販売に集中できるメリットがある。

オーガナイザー

スマホなどをコンパクトに収納
organizer。もともとの意味は、組織者、まとめ役。ファッション用語では、長財布より大きく、セカンドバッグより小さいバッグのことを言う。近年はスマートフォン所有者の急増、キャッシュレス化に伴う財布の小型化、ペーパーレス化の進展などを背景に、スマートフォンや小物、カードなどをコンパクトに入れられるオーガナイザーが人気。旅行かばんのバッグインバッグとしても注目されている。

オーガニック

エコで人気の有機栽培、生産量は……
organic。「有機の」「有機栽培の」の意味。ファッション業界では、環境保護に関する基準をクリアし、認証を受けた繊維・衣料製品を指す。国や素材によって基準も認証団体も様々ある。オーガニックコットンやリネンは、3年以上農薬や化学肥料が使われていない農地での栽培が条件。2016年の世界綿花生産量は約2400万トン前後と推定される。うちオーガニックコットンは約10万トン強で、比率は0.5%未満。エコ志向やCSR(企業の社会的責任)意識が高まり、市場での注目も高まっているが、生産量は少ないのが現状。

ODM

企画・デザインから製造まで一貫受注
Original Design Manufacturingの略で、「相手先ブランドによる設計・生産」と訳される。OEM(相手先ブランドによる生産)は指示された商品デザインを商品化するが、ODMでは企画・デザインも製造側が担う。小売業による自社ブランド開発の増加を背景に、OEMが進化した形。製造側の商社やOEM企業も、「縫製や編み立てだけで他社との違いを出すのは困難」という事情がある。独自の素材を活用し、デザイン・企画から製造までを一貫で受注することで、製品の差別化と収益性の拡大を図っている。製造卸に近い機能を果たすが、商品リスクは基本的には委託側が負う。

オートクチュール

クチュリエによる最上級の仕立て服
フランス語でオートは高級、クチュールは仕立て服。現在は、パリ・クチュール組合に加盟しているメゾンが、注文を受けてから縫製するオーダーメイドの高級服を指す。顧客の多くは富裕層やセレブリティー。クチュリエ(裁縫士)が最上級の技術を駆使して、一人ひとりの体に合わせて服を仕立てる。1970年代にプレタポルテの台頭を受けて、顧客やメゾンの数は減ったものの、その一方でブランドの格を上げる特別な存在になっている。パリ・オートクチュールコレクションが1月(春夏)と7月(秋冬)に開催されている。

オープンエンド精紡(OE)

紡績の高速化とラージパッケージ化を実現
open-end spinning。ドラフトと加撚の間で繊維束を切り離して加撚する精紡方式。スライバーを所定の番手までひき伸ばした後、空気流で繊維束を開繊分離し、繊維を集めて加撚し巻き取る。加撚と巻き取りを別々に行うことで、紡績の高速化とラージパッケージ化を可能にした。革新紡績システムの一つ。OEで生産された糸はオープンエンド紡績糸、空気精紡糸、空紡糸などと言う。ただし、リング糸と比べ繊維配列の均一性が劣り、撚りは少なく不均一で、風合いが硬く、強度や耐摩耗性が劣る。日本では綿やアクリル、ポリエステルなど太番手の糸の生産に一部使用されている。

オープンカラー

身頃から開いたシャツ襟
シャツカラーの一つで、開襟(かいきん)とも言う。テーラードカラーのように身頃から続けて折ったラペルのような部分と上襟があり、首元から開いているのが特徴。日本では年配の男性が着るものというイメージが強いかもしれないが、メンズ展のピッティ・イマージネ・ウオモでは2019年春夏に向け、軽く涼しげなシャツ襟として注目された。カジュアル化の中で伸び悩むドレスシャツに代わるアイテムとして、オープンカラーのサファリシャツとともに期待されている。ハワイアンシャツもオープンカラーであり、夏を涼しく過ごすための襟と言える。

ガンクラブチェック

多色使いの千鳥格子の織り柄
千鳥格子の「千鳥」を多色にしたチェックのこと。2017~18年秋冬のレディスデザイナーコレクションで注目された。英国調チェックがトレンドになった中で、目立ったのが千鳥格子の織り柄。19年秋冬は柄も細かくなり、コートやジャケットだけでなく、エレガントで大人っぽいパンツやスカートも。ガンクラブチェックの呼称は、英国の狩猟クラブ「gun club」のメンバーが好んで着ていたことに由来する。日本では千鳥に見立てて千鳥格子と呼んでいるが、英国ではハウンドツース、犬の牙と呼ばれている。

織物

経糸と緯糸の交差で多彩な表現
経(たて)糸と緯(よこ)糸を交差して作る生地。その歴史は古く、紀元前4200年頃のものも出土されている。人類は創意工夫を重ねて多様な交差の仕方(織物組織)を生み出し、多彩な織物を誕生させてきた。その基本となるのが平織り、斜文織り(綾織り)、朱子織りで、これらを三原組織と言う。平織りは経糸・緯糸が交互に1本ずつ交差した組織で、タフタ、ブロードなどがある。斜文織り(ツイル)は経糸と緯糸の交差点に斜めの畝を表す織り方で、デニム、ヘリンボーンなどが代表的。朱子織りはサテンのことで、経糸もしくは緯糸のどちらかが表面に多く浮き出た組織のこと。