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ETC 2024.04.17
バナナでつくる、やさしい生地
わたしたちは、バナナの繊維で生地をつくりました。
そこには、バナナ畑で捨てるしかなかった大量の茎を
どうにかできないかという思いがありました。
ゴミになる大量の茎
世界中で食べられている身近な果物バナナは、フィリピンやエクアドルなどの熱帯・亜熱帯地域で栽培されています。日本で流通しているバナナも、そのほとんどがそれらの地域から輸入されています。
バナナは生命力の強い植物です。収穫後しばらくすると、残された茎の間から新しい芽が伸びてきて、3〜6ヵ月後には再び実を結びます。 農家の人たちは美味しいバナナを実らせるため、新芽だけを残して収穫を終えた茎は伐採します。
そうして伐採された茎は捨てられ、世界129の国と地域で廃棄されているバナナ の茎部は、年間約10億トンにものぼります*。
* 社団法人繊維学会「繊維と工業」
Vol.60,No.1(2004):バナナ・テキスタイル・プロジェクト
廃棄材から天然繊維
ところで、バナナ畑で捨てられるバナナの茎からは、通常、1本(約25kg)あたり500~750gの繊維を採ることができます 。つまり、食用に栽培されたバナナの茎を活用できれば、繊維を採る目的で新たに畑を設けて水や農薬、 エネルギーを使って育てる必要がありません。
これまで捨てられるだけだったものから天然繊維を採りだして生地をつくるということは、循環型社会の実現に大きく貢献できます。
農家の人たちにも、いいこと
捨てられるはずの茎を利用することは、農家の人の暮らしにも良い影響があります。これまで、刈りとった茎は野積みされて放置されるような状況が多く、衛生的にも問題がありました。野ざらしだった茎を取り払うということは、ゴミがなくなる以上に、地下水の水質汚染防止、腐敗による悪臭防止等、地元の暮らしの改善や公害対策にも寄与できます 。
地球にも人にもやさしいバナナの生地
わたしたちは今、バナナ畑で捨てられた茎を利用して生地をつくっています。それらは製品となり流通にのって、みなさまのお手元にもお届けすることができるようになりました。
バナナ繊維の製品ができるまでをご紹介します。
わたしたちにも、いいこと
廃棄されたバナナの茎から採取した天然繊維でつくられた生地「BANANA CLOTH」。伝統的な天然繊維である綿や麻の作付け面積が減少している状況の中、バナナクロスはそれらに代わる新たな天然素材としての普及を目指しています。
地球にも人にもやさしいバナナクロス、ぜひご利用いただければと思います。