本社MD部 A子

ねぇ、
ポリエステルとかナイロン、アクリルとか、
石油由来の合成繊維の生地って、
最終的にどうやって処分されるか知ってる?

プラスチックだから、
えっと、リサイクルかな?

ん〜。繊維会社が廃棄する分も
たくさんあるだろうし、
そういえば、どうなるんだろうね。

えっとね、
一部はリサイクルされてるけど、
大部分は、焼いた後に埋め立てられているの。

でも埋めてもね、石油由来の合成繊維は
土の中の微生物が食べられないから、
何百年も土の中に残っちゃうらしいわ。

え!ずっと残るの?
それじゃ、そのうちゴミだらけになっちゃうんじゃない?

そうだね。ゴミ処理場はどこも満杯らしいから、
街中にゴミの山ができるかもね〜。

A美、そうならないように、
いま世界中の企業が廃棄物をゼロに近づける努力をしているのよ。

ひょっとして、MNインターファッションも何かやってるの?

本社商品開発部 A吉

ああ、当然何かやっている。
微生物が分解できる合成繊維で
BIOっていう生地をつくってるんだ。
BIOは、ある特定の条件下で生分解されて、
最後は水と二酸化炭素になるんだぜ。

そんなことできるの !?

おう。できるんだな、それが。 
BIOは、トウモロコシやサトウキビなんかのデンプンからとれる乳酸を原料にした「ポリ乳酸繊維」をメインに使った生地なんだ。
植物でできてるから、土中や水中の微生物が食べて
分解してくれるのさ。

生分解性プラスチック

A太、自然界で「生分解」ってどういうことかわかるよな?

うん。 生き物のことならわかるよ。

植物も動物も、命あるものはすべて、
最後は分解されて土に還るんだ。
たとえば落ち葉。ミミズとかダンゴムシとか
小さい生き物が落ち葉を食べてフンにして出す。
そのフンを今度はキノコとかカビとかの菌類が
さらに細かく分解して最後は土に還って養分になる。
植物はその養分を使って芽を出してやがて森をつくるんだ。

……ってことは、BIOはほかの生き物と同じように、
大きな自然の循環の一部になるってこと!?

そう!そうなんだよ! BIOはそこを目指して開発したんだ。
大いなる自然の一部だぜ。かっこいいだろ?

ふーん…。小説ができそうなくらい
ダイナミックなストーリーがある生地なんだね。

で、BIOは石油由来の合成繊維と比べてどうなの?

BIOは、合成繊維と同様の耐久性や染色性に優れた高機能繊維なんだ。
もし、これまでの合成繊維をまるっとBIOに置き換えることが
できたら、ゴミの量を大胆に減らせるんだ。
そうなるのが俺の夢さ。

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