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買い付け代行

製品仕入れ全般を担うサポート業
アパレルメーカーや小売店が現物製品を海外の卸売市場で仕入れる際に、その業務を代行すること。最近では、韓国・ソウルの東大門、中国・広州などにある製品卸市場からの仕入れが増えている。卸売店舗からの仕入れだけでなく、別注やOEM(相手先ブランドによる生産)、検品・デリバリーなどの関連業務まで含めて担う買い付け代行業者が多く存在する。特にファッショングッズは商品が幅広いため、買い付け代行を利用するケース増えている。

カウンター

かかとを安定させる芯材
counter、またはheel counter。靴のかかと部分の表(アッパー)と裏(ライニング)の間に入れる芯材で、月型(つきがた)とも言う。革靴だけでなく、スニーカーなど様々な靴に入っている芯材で、かかとをしっかり包み込んで歩行を安定させ、靴の型崩れを防ぐことが主な役割。もともとは一枚革だったが、現在はレザーボード(リサイクルレザー)、パルプボードなどの合成品も使われている。

カセット

衣料品店の商品群の陳列単位・場所
衣料品店の陳列の単位または場所のこと。英語のcassette、小さなケース、小箱に由来する。カセットは、衣料品を同じテイストやブランド、アイテム、色、素材、コーディネートや着回しの単位など様々。内容に応じて主に壁面の2~5スパンで商品の固まりを作り、訴求する。このことをカセット販売やカセット編成などと言う。アパレルメーカーの多くは、単品ではなくカセット販売により、継続的でより多くの商品の取引を目指している。壁面に対して中央什器のテーブルやラックは、アイランドと言う。

カテゴリーミックス

商品分類を超えたライフスタイル型売り場編集
婦人服、化粧品、食料品などカテゴリー(商品分類)を超えて商品を組み合わせる売り場編集のこと。かつて百貨店などの大型小売業では、単一の商品分類によるフロア編成や売り場構成が一般的だった。確かに目的購入はしやすいのだが、近年はライフスタイルに合わせた消費が広がり、単一カテゴリーではカバーできないニーズも出てきている。そのため、ナチュラル志向などのテイスト別に婦人服や服飾雑貨、生活雑貨を集積したり、健康や美をテーマに複数の商品分類を組み合わせて売り場を編集する大型店が増えている。

カバーオール

ワーク仕様のロング丈ジャケット
乳幼児向けのアイテムでは上着部分とパンツ部分が一体になったつなぎ状の服のこと。一方、メンズ分野では、ヒップ部分までの丈のワークジャケットのことを言う。カバーオールはデニムやダック地の一枚仕立てで、動きやすさを考えてウエスト部分の絞りはなく、胸と腰にポケットが付いたデザインが特徴。2019年春はメンズ専門店がこぞってオリジナル商品を販売し、ブームの兆し。

カフタン

イスラム教文化圏の民族衣装
足首丈のゆったりとした長衣のことを言う。イスラム教文化圏で着られる民族衣装の一つで、名称の語源はトルコ語とペルシャ語。ほぼ直線裁ちのシンプルな作りで、腰に飾り帯を締めて着る。両側のスリットと太めの袖が特徴。シャツ型から前合わせのアウターまで多種多様で、男女ともに着る。ファッショントレンドでは、女性用の軽やかなロングドレスとして提案されることが多くある。

カポック

詰めわたとして活躍、木の実からとれる繊維
マレー語で繊維を意味する、東南アジアの亜熱帯に広く分布している落葉樹。別名パンヤ。長楕円形の実の中にある種子を覆う毛が、古くから繊維に利用されてきた。繊維は長く光沢があり、耐久性や弾力性に優れるため、主にクッションなどの詰めわたとして使われている。繊維断面は中空率80%前後の高い空隙(くうげき)で軽く、疎水性もあるため、特に水中救命胴衣の中わたに使われている。紡績は難しいものの、最近では軽量性や保温性の高さがアパレル向けに注目され、綿や合繊などとの混紡素材が開発されている。

紙糸

環境に優しい素材として注目
紙を細いテープ状にカットし、撚りをかけて作った糸。シャリ感があり、吸放湿性に優れるため、麻のような清涼感がある。比重は綿の3分の1と、軽さも特徴。ただ、伸度がないため経糸にすることが難しく、緯糸に使って他の素材と交織することが多かった糸でもある。近年は開発が進み、紙100%の生地も増えた。原料はマニラ麻が主流。生育が早い、成長時に二酸化炭素を多く吸収する、使用後に焼却しても有害物質が発生せず、生分解されることから、環境に優しい素材として注目されている。日本では抄繊(しょうせん)糸とも呼ばれ、古くから生産されてきた。

仮撚り加工糸

毛織物の風合いを持つ合繊を作る
合成繊維の熱可塑(かそ)性を利用し、フィラメントに嵩高性、伸縮性を持たせるように加工した糸のこと。仮撚りでは、フィラメント糸1メートル当たり約3000~4000回の撚りをかけ、熱セットした後に撚りを戻す。すると、細かい縮れが生まれ、ふっくらとした嵩高の糸になり、適度な伸縮性も備わる。この仮撚り加工糸の普及により、合成繊維で毛織物のような天然の風合いに似せた生地を作ることができるようになった。ポリウレタン糸と同レベルの伸縮性はないものの、その分、生地の重量を軽く仕上げることができる。

カルゼ

立体的な畝が表れる綾織物
綾織物の一つで、右斜めに走るはっきりとした畝(うね)とかすかな毛羽立ち、光沢が特徴。丈夫なのでコートやジャケットによく使われる。本来は毛織物だが、綿織物も多く、ポリエステルもある。毛織物は紡毛糸を密に織って縮絨(しゅくじゅう)、起毛し、軽く剪毛(せんもう)したものが主流だったが、梳毛織物も増えている。綿織物は杢糸と染め糸を使い、霜降り効果を出すのが一般的。英国の毛織物産地、カージー(Kersey)で織られていたことが由来とされ、欧米ではカージーと呼ばれている。

「皮”」をなめして「革」へ
革とは、動物の皮を植物タンニンやクロムを使ってなめしたもの。水洗い、脱毛、なめし、シェービング、乾燥、塗装などの作業を繰り返し、バッグ、靴、衣料などに使えるようにする。なめしを行う業者はタンナーと呼ばれる。最も多く使われているのは牛革、他に豚革、馬革、羊革、鹿革なども広い用いられ、いずれも食肉の副産物として利用されている。ワニ、トカゲ、パイソン、魚類のエイなどは希少な高級皮革で、エキゾチックレザーと呼ばれている。日本の代表的産地は兵庫県の姫路市、たつの市、東京都の墨田区。

カード糸、コーマ糸

同じ綿糸でも工程が異なる
綿紡績でわたから短い繊維や細かなゴミを取り除き、スライバー(繊維の束)を作るカード工程によって作られたのがカード糸。そこからさらに細かく短い繊維を取り除き、くしで梳(す)かすように繊維を平行にすることをコーミング工程と言う。この工程を経た糸がコーマ糸。コーマ糸は40番手以上の細番手の糸が多く、比較的長い繊維が糸になっていて、滑らかな生地に仕上がる。一方、カード糸は太番手の糸が多く、繊維長もコーマ糸に比べて短いため、よりカジュアルな雰囲気の生地になる。

ガチャベルト

コーデのアクセントとしてヤングに定着
帯面をバックルの中の金属の棒で圧迫して固定するベルト。穴が無いタイプなので、締め付け度合いを細かく調整できます。正式名称はGIベルトだが、ヤングブランドを中心に「ガチャベルト」の呼び方が定着している。例えば、ワイドパンツのぶかぶかのウエストをガチャベルトで締め、余った帯部分をだらっと垂らすなどのスタイリングが楽しめる。幼いイメージがあったベルトだが、コーディネートのアクセントとして提案され、男女を問わずヤング層の人気アイテムとなった。

旗艦店

ブランドの中心的存在となる店
ブランドや店舗業態(屋号)を象徴する店で、中心的な存在である本店やそれに準ずる店舗のこと。フラッグシップショップ(flagship shop)とも言い、出店する国・地域でブランドイメージを浸透させる役割を担っている。その多くは都心部など地域の一等地にある路面店や商業施設内の大型店。旗艦とは艦隊の司令官が乗る船を指す海軍用語で、店舗展開を艦隊に見立て、ブランドや店にとって重要な店を旗艦店と呼ぶようになった。

既存店

開店して1年以上経った店
小売業の業績を前年比で見る時に、その年に新規出店した店舗を含む全店ベースよりも、その前の年からある店舗=既存店だけの数値で比較したほうが、実質的な成長度合いをつかむことができる。このことから既存店とは、開店して1年以上経った店舗のことを言う。売上高以外にも、人件費や利益などが前年と比べてどう推移したかの判断材料にも使うことができる。近年ではネット販売が伸びているため、自社ECやECモールにある店舗も既存店に含めるケースが増えている。

キャンバス

厚地で丈夫な平織物
綿や麻の太い糸で密に織った厚地の丈夫な平織物。絹や化学繊維のものもある。ダック、ズックも同じもので、これらを含めて帆布とも呼ばれる。船の帆に用いられることから、セールクロスの名もある。キャンバスより厚手でラフ感のあるものを帆布、少し薄手のものをダックと言ったりもするが、明確な区別はない。綿の場合は通常、10番手くらいの太い糸を厚さに応じて2~8本撚り合わせて使う。船の帆、画布、テント、かばんなどに使われているが、ワークウェアなど服地としての用途も広い生地。

キュプラ

コットンリンターが生む滑らかさ
cuprammonium fiber、cupra fiber。再生繊維の一種。レーヨンに似ているが、レーヨンが木材パルプを原料にしているのに対し、キュプラはコットンリンター(綿花を採取した後の綿実の表面に密生している繊維)が原料。単糸繊度はレーヨンの半分以下のものが得られ、断面は丸く表面が平らで滑らかになる。高級裏地や女性用インナーなどに用いられている。
セルロース系では唯一の長繊維不織布も生産されている。日本では「ベンベルグ」の商標で知られ、裏地などに多く用いられている。

金襴

緯糸の金糸で紋様を表した織物
きんらん。朱子(繻子)織りや綾織り、紗などの生地の緯糸に金糸を織り込んで紋様を表現した織物。室町時代に中国から大阪・堺に伝来した唐織物の一種で、織金(おりきん)とも呼ばれ、京都・西陣に伝わって発展した。もともとは経糸にシルク、緯糸に糸状に切った金箔紙を使っていた。厚手のシルク地に模様を織り込んだ緞子(どんす)とともに高級織物とされ、その用途は帯地や袈裟(けさ)、能装束、表装具など多様。近年ではシューズやバッグ、帽子など服飾雑貨にも使われるほか、インテリア素材として海外からも注目されている。

擬麻加工

セルロースを麻のような風合いや見た目に
綿やレーヨンなど主にセルロース系の繊維や織物に施し、麻のような風合いにする加工。ゼラチン、カゼイン、こんにゃく、レーヨンなどをのり状の物質にして、繊維間を膠着(こうちゃく)させると、風合いが硬くなる。この時、ゼラチン、カゼインはホルマリン、酢酸アルミニウムで、こんにゃくやレーヨンはアルカリで固化させることで、シャリ感やハリ・コシを与え、麻のようなタッチにする。硫酸などで繊維表面を溶解して硬くする方法や、カレンダーという金属製のローラーを使う機械的な方法もある。

ギャバジン

緻密で丈夫、上品な光沢感を表す綾織物
gaberdine。単にギャバとも略称される。綿やウール、麻などから作られる緻密で丈夫な綾織物の一種。梳毛織物は2/2または3/1の斜文組織で、経糸の密度が緯糸よりも高いため、綾目が45度以上と急傾斜になる。ウールのものはウールギャバジン(wool gaberdine)と呼ばれ、上品な光沢感や耐久性に富み、コートやスラックス、スーツ、スポーツウェア、制服などに広く用いられる。レインコート向きのギャバジンをクレパネットと呼ぶことがある。綿織物は2/2、3/1、3/2の細綾で、用途は梳毛織物と同じ。ギャバジンの由来には中世のユダヤ人の長衣(ガバディン)や中世スペインの雨合羽(ガバルディナ)など諸説ある。

行庵手織

草木染めの糸を手織りした栃木県の伝統工芸品
ぎょうあんており。栃木県足利市で生産されている草木染めの織物。「栃木県伝統工芸品」指定。茜(あかね)や梅、栗、栃の葉といった自然の素材で染めた糸を丹念に手織りして作られ、素朴で自然な味わいが特徴。江戸時代に発祥したとされる。現在は服飾雑貨や空間装飾、アクセサリーなどに用いられ、最近では行庵手織を使ったファッションシューズなども開発されている。

クリップオンサングラス

眼鏡に取り付けるサングラス
眼鏡に取り付けるサングラスのことで、クリップサングラスとも言う。眼鏡とサングラスが一体化した跳ね上げ式や、反射光をカットする偏光サングラスが多い。跳ね上げ式の場合、ドライブ中のトンネル内など必要のない時には、偏光や色付きのレンズを片手で上げ、普通の眼鏡として使用できる。眼鏡本体のフロント部にサングラスのプレートを磁石で簡単に着脱できるツーウェイ眼鏡もあり、重ねるだけのシンプルな構造が人気。

クロスアプリ(CLOTH-APP)

生地の価値を市場と共有するアイコン
三井物産アイ・ファッションが展開する生地ブランドに備わる価値を、ユーザー視点で分かりやすく伝え、共有するためのコミュニケーションツール。植物繊維や高強度素材、快適性、イージーケアなど生地の特徴や特性を35種類以上のカテゴリーでアイコン化し、商品に付けて店頭に並べられる。CLOTH-APPはComfort Lifestyle Of True Happinessの略。

クロスマーチャンダイジング

クロスマーチャンダイジング
業種や品目の枠を超えたMD編集
業種や品目分類の枠を超えて売り場構成する小売業の品揃え手法の一つ。婦人服、靴、バッグを仕事着や通勤着といった着用シーンでまとめる、あるいはワインとチーズや総菜を組み合わせて提案するなど様々。消費者の関心事や使用シーンに基づいた、分野を超えたMD編集によって、購買意欲の喚起や関連購買を促す。このように特定のテイストや独自のコンセプトで衣・食・住を総合的に揃えて提案するライフスタイルショップのような見せ方、売り方が、消費の成熟化や嗜好の多様化に伴って広がっている。

クロップト

パンツ本来の丈より短く切り落とす
クロップ(crop)は短く刈り込む、切り落とすの意味。ファッションアイテムでは、本来の長さではないところでカットされた丈を指す。その意味でショート丈やハーフ丈とは異なり、クロップトパンツやクロップトトップというアイテム名で使われている。レディスではテーパードのクロップトパンツは定番的で、最近ではワイドクロップトパンツがヒットした。メンズでも九分ぐらいのアンクル(くるぶし)丈が人気だが、八分、七分丈のクロップトも当たり前になった。

グッドエイジング運動

すてきに歳を重ねる高齢者を応援
「いい歳しよう宣言・グッドエイジング運動」。高齢化社会の進展を背景に、日本メンズファッション協会(MFU)が2003年に立ち上げた事業活動。いつまでも「いきいき、楽しく、かっこよく」すてきに年齢を重ね、人生を楽しむバイタリティーにあふれた各界の著名人を「グッドエイジャー賞」として表彰している。毎年9月に東京で授賞式をした後、地方都市でも地域にゆかりのある著名人を表彰。MFUはベストファーザー賞、ベストドレッサー賞など認知度の高い事業活動もしている。

グラフェン

機能性に優れた炭素素材
graphene。炭素原子とその結合でできた六角形格子構造を持つシート状の物質。ダイヤモンドをしのぐ強度で引っ張りにも強く、しなやか。さらに熱や電気の伝導性に優れ、常温での電子の移動速度はあらゆる物質の中で最も速い、という特徴がある。素材の名称はグラファイト(graphite)=石墨、黒鉛に由来。1ナノメートルの薄さで軽く、透明なため、携帯端末のタッチパネルや太陽電池などに応用されているほか、機能衣料やスポーツシューズにも使われ始めている。安定した製法の発見に対し、10年にノーベル物理学賞が贈られた。

グルーダウン

品質と安全性に問題ある羽毛原料
glue down。現在の物性基準をすり抜けるように加工された羽毛原料。ファイバーやフェザーなどを樹脂などで固め、ダウンボールのような状態にしたもの。洗浄が不完全なためにほこりやバクテリアなどが混入するほか、羽毛を固める溶剤には毒性が強いものもある。そのため、品質だけでなく、人体・健康にも悪影響を及ぼすという問題を引き起こしている。日本羽毛製品協同組合などの業界団体が、グルーダウンの使用に警鐘を鳴らしているほか、安全性を確保する新たな基準作りにも着手している。

グレンチェック

千鳥格子と極細線による英国伝統の織り柄
glen check。グレナカートチェック(glenurquhart check)の略称。千鳥格子とヘアライン(髪の毛のように細い線)の小さいチェックの組み合わせからなる、英国の伝統的な柄の一つ。14世紀頃、スコットランドのアーカートという地の谷間(グレン)で織られていたことに由来する。プリンス・オブ・ウェールズ・チェックとも呼ばれ、ウィンザー公が英国王子だった頃によく愛用していた。スーツやコート、ハンチングキャップでも比較的見かける柄。伝統的でおしゃれ感の高いチェック柄で、男女を問わず人気がある。

消しプリーツ

スカートの下に向かうほど自然なひだ
レディスファッションで定番人気のプリーツもの。ロング丈のスカートに使われることが多く、特にアコーディオンプリーツの細いシルエットのロングスカートにはヒット商品も数々ある。その流れで人気なのが、スカートの下に向かうほどプリーツが消えていく消しプリーツだ。上部は均一の細かなひだ、下部は自然なひだに加工したもの。全面プリーツよりもナチュラル感が表現しやすく、着用によるプリーツ消えを気にしなくてもよいという利点がある。

KESシステム

生地の風合いを数値化し、製品企画に役立てる
KESとはKawabata Evaluating Systemの略。一般的には「ケス」と言う。生地の風合いという感覚的なものを客観的に数値化し、評価するための計測システムとして、京都大学の川端季雄博士らが開発した。引っ張り、曲げ、摩擦など生地の様々な力学特性を計測することで、ハリ、コシ、ヌメリ、シャリ、膨らみなどを数値で評価する。アパレル製品の企画や、縫える生地なのかなどを判断する際に使用されている。化粧品や不織布など様々な分野で用いられることもある。

原価

商品単位で生産や仕入れに要した費用
商品の開発、生産、仕入れに要した費用のこと。一般的に原価と言うと、製造業では製造原価、販売業では仕入原価、サービス業では役務原価を指し、損益計算書上では売上高に対する費用の科目として売上原価と表記される。売上原価を売上高で割ったものが原価率。例えばアパレル卸業の場合、卸価格は衣料品1枚当たりの原価に必要な粗利益を上乗せして設定されている。ファッション業界では、小売り企業が価格の透明性を表す手段として原価をオープンにするケースもある。

原着

化学繊維の原料と色材を一体化
dope dyeing、solution-dyeing。化学繊維の原料(原液、溶液、ポリマー)に、顔料や染料などの色材を加え、着色された状態で繊維を製造する「原液着色」の略。この方法で作られた糸を「原着糸」と言う。繊維と色材が一体化しているため、糸や生地の段階で染色する時と比べ、染色堅牢度に優れている。ポリプロピレンやポリエチレンといった染まりにくい繊維を着色する時や、ポリエステルなどでも同じ色の繊維を大量に生産する時に、多く採用されている。

ゲージ服

ゲージ服
オーダースーツを作る際のサンプル
オーダースーツを作る際に着用するスーツサンプルで、パターンオーダーを提案する店で主に活用されている。生地やデザインを決め、採寸し、ゲージ服を着用することで、一人ひとりの体形に合わせて修正していくのが一般的な流れ。お客様もゲージ服を着ることで、丈のバランスやシルエットなどの仕上がりをイメージしやすくなる。そのため、ゲージ服の種類が多いほど、仕立て上がってからのサイズ感などに関するトラブルも少なくなる。

鯉口シャツ

日本古来の男性用下着、今どきのコーデへにも
ダボシャツによく似た日本古来の男性用下着の一種。ダボシャツと大きく違うのは、首元がV字型に切れ込み、身頃も袖も細いこと。首元の開いた形が鯉(こい)の口に似ていることから命名されたと言われる。本来は半纏(はんてん)の下に着るもので、現在は祭衣装として使われることが多い。メンズファッションでは和装のアイテムをカジュアルウェアに落とし込む流れもあり、若い世代もコーディネートに取り込んでいる。

口金リュック

大きな開口と個性的なフォルムが特徴
ファスナー式の開口部に金属ワイヤを入れることで大きく開き、開閉が容易なリュック。がま口財布のようなフォルムも大きな特徴。キャロットカンパニーのブランド「アネロ」が代表的で、2014年12月の販売開始以来、アパレルや雑貨のチェーン店を中心に大ヒットとなった。

高視認性安全服

視認性を高め、人の安全を守る
蛍光色の生地と再帰反射材を組み合わせることで、夜間をはじめ日中や遠方からでも着用者の視覚的認知度を高め、交通事故や労働災害を防ぐための衣料。欧州では1994年に高視認性安全服に関する規格EN471(現在はENISO20471)が発行され、作業現場では高視認性安全服の着用が一般的になっている。日本では2015年10月にJIS(日本工業規格)T8127が制定された。

顧客分類

最適な対応・提案へ、顧客をグループ分け
市場での自社・自店のポジションを踏まえ、年齢、ライフステージ、購買力、ファッションに対する志向などで顧客をグループに分類すること。ところが、価値観の変化やライフスタイルの多様化を背景に、従来型の分類では顧客の実像を捉えきれなくなり、関心事や暮らし方を含めて分類しなければ最適なアプローチが難しくなった。自社カードを使った顧客の購買情報・履歴だけでなく、入店しても買い物をしなかった顧客のニーズを発見することも必要になっているのが現状。顧客の声を収集したウォントスリップや各種調査との複合、ビッグデータやAI(人工知能)の活用など、新たな顧客情報の分析が求められている。

コットン

吸水性があり、実用衣料に向く
cotton。植物繊維の代表的な存在。綿花を紡績した糸を生地にする。綿花の中で繊維長が長く、糸にした時に光沢と高級感があるものを超長綿と言う。しわになりやすいなどの欠点もあるが、吸水性、洗濯のしやすさ、価格の安さなどから実用衣料に多く使われている。綿花の主な生産国は中国、インド、米国など。

コットンリンター

綿花を採取した後の種子に残る繊維原料
cotton linters。綿花を採取した後の種子の表面に残っている、長さ2~6ミリの毛羽状繊維のこと。繊維長が短いため紡績用には向かないが、高い割合でセルロースを含んでいることから、再生繊維の主原料として活用されている。原料を酸化銅アンモニア溶液に溶かしてから、凝固液中に押し出して製造されたものがキュプラである。キュプラは裏地や民族衣装のほか、不織布としてガーゼやフェイスマスクなど医療・美容用途にも使われている。

コンテンツマーケティング

共感できる価値を提供し、拡散してもらう手法
ユーザーに有益で共感できる「情報として価値あるコンテンツ」を提供し、自社ブランド・商品のファンになってもらい、購買につなげる販売戦略のこと。パンフレット、チラシ、カタログ、テレビCMなどの販促媒体が一般的だったが、今やスマホ全盛の時代。企業側も、スマホで閲覧してもらい、共感したユーザーが素早くシェアしてくれるようなコンテンツの制作を強めている。拡散されるには興味関心を引きつける表現や企画力が問われることから、効果のKPI(重要目標達成指数)の設定も重要になっている。

コンバージョン率

ウェブサイトでの成約率
conversion rate。略してCVRと表す。インターネット広告やECサイトの成約効率を計る指標のこと。ECサイトでは閲覧者の中で商品を購入した人の割合を指す。例えば、閲覧者数が100万人いて、商品を購入した人が2万人いたとすると、CVRは2%。また、SNSで「いいね!」ボタンをクリックしたり、コメントを投稿するなど積極的な反応を示した人の割合をエンゲージメント率と言う。以前はエンゲージメント率がマーケティング上で重要視されていたが、現在はCVRが指標となっている。

コンピュータージャカード

データでデザインを表現する紋織物織機
紋意匠の表現に必要な紋紙をデジタルデータに置き換え、織っていくジャカード織機。旧来のジャカード織機は、複雑な模様を織るために、織り方を設定した紋紙が必要だった。これを手作業で作っていたのだ。西陣織などでは1柄で約8000~数万枚の紋紙が必要とされ、専門職人が作っていた。コンピューターが導入されたのは1980年代のこと。図案デザインをコンピューター上で制作できるようになり、より多様な意匠表現が可能になった。膨大な紋紙情報を記憶媒体に保存・出力できるので、省力化や省スペース化も飛躍的に進むこととなった。近年はデータを直接取り込んで経糸を制御する織機も登場している。

コンフォートシューズ

足の健康を重視した靴の総称
足の健康を重視し、履き心地の良さを特徴とする靴のことを、一般にコンフォートシューズと言っている。特に多いのが、外反母趾(がいはんぼし)に対応した商品。足を包み込むようなアッパー、かかとをホールドして前滑りしにくい設計、捨て寸を入れてつま先にゆとり、伸縮性のある素材の採用、歩行時の衝撃を吸収するソールやインソールなど、多様な機能が組み込まれている。ファッション性も考慮され、デザイン性を重視した商品も増えた。

コンプレックスコン

熱狂を生む新タイプの合同展
Conplex Con。スニーカーを中心としたストリートカルチャーの合同展。2016年から米カリフォルニアで秋に開催されている。「ポップカルチャー、アート、フード、スタイル、スポーツ、音楽をミックスしたお祭り兼展示会」で、アーティストの村上隆がビジュアルを統括。「ナイキ」「アディダス」「プーマ」など著名ブランドの限定品に長蛇の列ができたり、豪華アーティストによるライブも開催され熱狂を生み出す。B to B(企業間取引)の商談の場というより、消費者を巻き込んだフェスに近い。

コーチジャケット

米国生まれのシンプルアウター
ナイロン製のブルゾンの一種で、シャツ襟に開閉しやすいスナップボタン、ドローコードで締められる直線の裾といったシンプルなデザインが特徴だ。米国で生まれ、学生のほか、スポーツ観戦や野外で作業をする労働者が主に着用。日本ではアメカジの典型アイテムとして1980年代後半~90年代に流行した。呼称は和製英語。米国の球技スポーツでコーチが着ている姿が日本に伝わったことが由来など、諸説ある。

コーデュロイ

毛羽立った畝が並ぶ綿織物
corduroy。コール天とも呼ばれる。毛羽立った畝(うね)が縦方向に走る、綿の緯パイル織物。緯に地糸とパイル糸を織り込み、パイル糸を切って毛羽を出している。畝の太さによって呼び名が変わり、1インチ(2.54センチ)の間に並ぶ畝の本数が4本以下は鬼コール、5~6本は太コール、8~10本は中コール、14~18本は細コール、20本以上は極細コール、ピンコール、微塵(みじん)コールなど。仏語で「王様の畝」を意味するCorde du Roi(コル・デュ・ロワ)が語源。ルイ14世が召使いの制服に使ったとされる。

コードストッパー

ひもを留める資材、ファッション性も注目
バックパックなど袋物の口をコードで閉めて、開かないように留める時に欠かせない役割を担う。ひも(コード)を必要な長さのところで留める資材のこと。パーカやウエストをコードで絞る場合など、その用途はスポーツ分野からカジュアル衣料まで広がっている。ファッション表現でも着目され、素材は金属製から樹脂、木製まで種類が拡大し、より留めやすく、デザイン性に富んだストッパーの開発が進んでいる。

GOTS

オーガニック繊維製品の国際基準
Global Organic Textile Standardの略称で、オーガニックな繊維製品を認証する国際基準のこと。この基準を満たす生産、流通過程を経たオーガニック原料使いの製品(糸、生地、衣料など広義の繊維製品)を証明し、2種類のラベルを発行している。「オーガニック」と名乗るには、製品に認証済みのオーガニック繊維が95%以上使われていなければならない。70%以上使われている場合は「メイドウィズオーガニック」と表記する。染料、加工助剤の使用、排水などの環境管理、労働条件でも規定があるので、注意が必要。05年にバージョン1.0が発表され、17年に5.0に更新された。