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は行

パネル柄

1枚の絵のような柄の連続
一つのパネルの中に1枚の絵のように配置し、それを連続させた柄のこと。スカーフ柄やパネルプリントと言うこともある。スカーフのように四角の枠で囲った柄は典型的。枠のないタイプもあり、これは服に仕立てた時に単純に連続させた柄とは違う独特の柄の出方を楽しむことができる。2018年春夏では、デザイナーコレクションでスクエアに切った布使いが多く登場し、パネル柄がレディス市場に広がった。19年春夏ではドレスやブラウス、パンツなどでさらに多くのブランドが取り入れた。

ハイテク系

高機能が特徴のスニーカーの総称
衝撃吸収やフィット性、軽量化などで高い技術を駆使して開発されたスニーカー。ハイテク系、ハイテクスニーカーと呼ぶ。1980年代から急速に台頭した。代表例は、「ナイキ」のエアマックスや「リーボッククラシック」のインスタポンプフューリーなど。以前は購入者の大半が男性だったが、近年は可愛らしいデザインのものが増え、女性からの人気も高まっている。一方、古くからある製造技術を用いて作られたスニーカーは、「ローテク」と呼ぶ。

伯州綿

鳥取県西部で栽培される和綿
江戸時代前期に鳥取県境港市の弓浜半島で栽培が始まった和綿。北前船で全国に広がり、鳥取藩の財政を支えるほどの一大産地を形成した。明治期から安価な外国産綿が台頭したことで徐々に衰退したが、その後も同地域の伝統織物「弓浜絣」の原料として細々と栽培が続けられ、わずかな種をもとに、2008年から境港市農業公社が本格的な復活に取り組んでいる。農薬や化学肥料を使わずに手作業で育てられ、繊維は太く弾力性に富み、保湿性にも優れる。バッグやタオルなどで商品化されている。

HACCP

食の安心・安全への国際基準
ハサップ。食品の衛生管理手順の国際基準。「Hazard Analysis Critical Control Point(危害分析重要管理点)」の頭文字による造語。製造・流通過程で起こり得る被害を未然に防ぐ手段として、7原則12手順が示されている。日本でも2016年6月に制度化が決まり、21年6月までに全食品事業者がHACCPに対応した衛生管理の導入を義務付けられた。中小の食品工場から食品を扱う小売業まで衛生面や安全性へのニーズが増し、ユニフォーム業界では食品工場向け白衣の機能向上に取り組んでいる。

端境期

次シーズンとのはざまの時期
はざかいき。夏物と秋物の間や、冬物と春物の間といったシーズンの合間の時期。天候的にも中途半端な時期で、例えば晩夏初秋は9月に入っても暑さが長く続くため、通常の秋物では店頭の動きが鈍いといったことが起きがち。秋のトレンドを取り入れながらも、薄手素材の秋色夏素材の商品を投入するなどの対応が見られる。逆に、冬のセールが終わる頃で、まだ寒く春物には少し早いと感じられる時期には、防寒の厚手素材で春を感じさせる明るい色を加えた商品で購買を促したりする。

撥水・防水・耐水

水に対する強さの違い
いずれも水に対する強さを表しているが、意味はそれぞれ異なる。撥水(はっすい)は生地の表面で水滴を弾くこと、耐水はどれだけ水を通さないかの目安、防水は水を通さないこと。例えば綿に撥水加工を施しても、もともと吸水性のある繊維のため小雨をしのげる程度で、生地についた滴に上から圧がかかると水が浸みてしまう。一方、ビニールの雨合羽は、生地に穴が開かない限り水が浸みない。ただしビニールは透湿性がないため、蒸れるというデメリットがある。そこで防水透湿などの高機能素材が続々と開発されている。

ハワイアンシャツ

南国モチーフの柄を配した開襟シャツ
パイナップルやヤシの木、ウクレレなどトロピカル柄を配した開襟シャツ。起源には諸説あるが、19世紀末から20世紀初頭のハワイで、日系移民が持参したきものを開襟シャツに仕立て直して着たところ、現地住民も着るようになり、南国のモチーフが増え定着したとされる。素材はコットンもあるが、レーヨンやシルク、ポリエステル製が一般的。ボタンにはヤシの木や実で作ったものが使われる。夏の定番シャツとして人気があり、周期的にブームも起こる。

ハンカチーフヘム

ふわふわとしたドレープを生む裾線
ハンカチーフの角を垂らしたようにジグザグになった裾線のこと。動くとヘムがふわふわとドレープを描く。2018年春夏にはハンカチやスカーフのような布を斜めに垂らすデザインがトレンドになり、たくさんのスカーフをタッセルのように垂らしたヘムなど、数々のハンカチーフヘムのドレスやスカートが登場した。

販売代行業

店舗での商品販売を代行
販売チャネルを持たないアパレルメーカーなどの商品販売を代行すること。一般的に店舗の出店はメーカーが行い、代行業者は店舗での販売とその要員(販売員)の確保を担う。代行業の収入は仕事の内容によって異なるが、メーカーなどと取り決めた売り上げ(販売)手数料が基本。代行業は個人企業が多いが、アウトレット施設や高級ブランド店を複数ブランド手掛ける成長企業もある。人手不足時代の新たな成長戦略として、代行業を有効に活用するメーカーやSCディベロッパーも出てきている。

反毛

衣料や裁断くずをわたに戻した繊維
はんもう。ウールや綿など不要になった製品や裁断くずを回収し、解毛機や反毛機にかけて、わた状に戻した繊維のこと。色別に分類したり、染色して使用する。反毛工程で繊維長が短くなってしまうため、ウールでは紡毛糸やフェルトの原料、綿では軍手やぬいぐるみの中わた、フェルトなどに使われることが多い。ウールの反毛は古くから衣料用途にも使われてきた。最近では、綿でも持続可能性の観点から衣料用途への活用が見られる。

バイメタル構造

2成分を貼り合わせた伸縮性ある合繊糸
二つの成分のポリマーが貼り合わさった合繊糸の形状。温度計などに使われる金属板の構造に似ていることからこう呼ばれる。バイラテラル(左右両側の)、サイドバイサイドも同義。二つのポリマーの性質の違いにより、加熱後の収縮率の差を利用して捲縮(けんしゅく)を発生させ、ストレッチ糸になる。インビスタのPET(ポリエチレンテレフタレート)とPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)を複合した「ライクラT400」やユニチカトレーディングの「Z-10」などが知られる。

バファローチェック

黒いライン重ねた大柄の格子柄
赤や青、緑などをベースに、黒いラインを重ねた大柄の格子柄。ブロックチェックの一種。この柄のウールシャツやジャケットを米国西部のカウボーイが着ることでよく知られる。ウェスタンスタイルが注目される2018~19年秋冬のメンズコレクションでは、トレンド柄として浮上した。柄の由来は諸説ある。スコットランドの英雄とも義賊とも言われるロバート・ロイ・マグレガーが考案したとされることから、マグレガータータン、ロブロイの別名もある。ほかにも、猟師が山中で人と獲物を誤認しないよう発案されたなど。

バリスティックナイロン

強度、耐久性を備え、軽い、高強力素材
ballisticは「弾道の」の意味で、第2次世界大戦時の米国でフライトジャケット用に開発された高強力ナイロン織物がルーツ。1000デニール前後の太い糸を用い、経・緯糸を2本や3、4本引き揃えた斜子(ななこ)織で、タテ・ヨコの目がはっきりした組織になっている。通常のナイロンの5倍以上の強度と耐久性を持ちながら、軽いという特性がある。現在はバッグ、ベルト、アウター衣料など一般向けの高強力素材として使われている。海外では一般名称だが、日本ではモンベルがテキスタイル関連の「バリスティック」の商標を取得している。

バルマカーン

ステンカラーコートの原型
balmacaan。裾幅がやや広めでゆったりしたシルエットのクラシックなコート。ステンカラーコートの原型とされる。名称は英国スコットランドのインバネス近郊の地名に由来。上襟が下襟よりも大きいのが特徴で、ボタンで閉じたり、開いて開襟シャツのような形にしたりできるが普通は閉じて着る。このようなコートの襟型をバルマカーンカラー、バルマカラーと言い、略してバルカラーとも呼ばれる。これが現在はステンカラーの代名詞とされている。リバーシブル型が多く見られるのも特徴。

バルーンスカート

風船のように膨らんだシルエット
balloon skirt。風船のように膨らんだ形のスカート。ウエストはギャザーや細かなタック、裾は折り目をつけず丸く返してさらにギャザーを寄せながら裏地と縫い合わせ、裏地でつるようにした作りが一般的。ミニだと子供っぽいが、ボリュームをあまり出さない薄地の膝丈などは、フェミニンテイストのキャリア~ミセスブランドによく見られる。袋状になっていなくても、膨らんで空気をはらんだ形をバルーンシルエットと呼ぶことがあり、バルーンコート、バルーンスリーブなどもある。

バングル

留め金の無い腕飾り
bangle。留め金が無い、単純な輪状をした腕飾りのこと。ブレスレットは手首を装飾するアイテムの総称。バングルには一部留め金があるものもあるが、チェーンのように動きのある素材ではなく、メタルプレートやガラス、樹脂など形状が安定した素材を使っているのが特徴。多くはラウンド型、または着脱用の開口部のあるC型のフォルムに仕立ててある。肌の露出の増える春夏にかけてバングルがよく売れ、シンプルながら存在感のあるメタル製でアクセントをつけるコーディネートが人気。重ね付けでの提案も増えている。

バンドカラーシャツ

襟腰だけのカラーのシャツ
スタンドカラーの一種で、バンド(帯)状の襟のをしたシャツのこと。襟羽根のない襟腰だけのカラー「バンドカラー」のシャツを意味する。もともとシャツは、襟腰から襟羽根部分を外して洗える構造になっていた。このようなクラシックな背景もあって、コットンやリネンのバンドカラーシャツはレトロな雰囲気を感じさせる。テーラードスタイルをビジネスで着る必要性が薄まる中で、2019年春夏メンズのシャツではオープンカラー(開襟)シャツ、サファリシャツと並んでバンドカラーシャツが提案され、注目された。

パイル織り

表面に毛羽やループのある織物
pile fabric。片面あるいは両面に毛羽(パイル)や輪奈(ループ)を持つ織物。添毛(てんもう)織りとも呼ぶ。地の糸とは別に、パイルやループを作るパイル糸を配列して織る。パイル糸を経糸に使う経パイル組織と緯糸に使う緯パイル組織がある。タオル織物(テリークロス)は経パイル組織で、ゆるく張ったパイル糸が片面、あるいは両面にループを作る。別珍やコーデュロイは緯パイル組織で、製織後にループの先端をカットして毛羽にする。

パッカリング

布地を縫い合わせる時にできる縦縮み
puckering。パッカー(pucker、しわ)からの派生語で、縫製の時にできる縦縮みのこと。同義語はに、縫い目しわ、縫い縮みを意味するシームパッカリング(seam puckering)がある。縦縮みは、布地を縫い合わせる時に送り歯の高さと押さえ圧力の強さが合っていないため、縫い目の間の布面に小さい凸部分が生じることでできる。既製品では縫製不良として扱われる場合もある。一方、デニム製品ではあえてパッカリングしビンテージ風に仕上げることもあり、両脇の縫い目に大きくパッカリングしたパンツをパッカーパンツ(pucker pants)、パッカードパンツ(puckerd pants)と言う。

パワードスーツ

運搬作業など様々なシーンで人間の動きを補助
コンピューター制御により腕や足など体の動きを補助し、負担を大幅に軽減することを目的作られた服型の装置。重い器具の操作や重量物の運搬などに使われる。製造現場や介護施設など様々なシーンに向けた開発が進んでおり、ロボット工学を使った本格的なものから、あくまで補助的な機能を持つパワーアシストスーツなどまで多岐にわたり、価格も幅広い。人手不足を背景に、アパレルの物流現場でも注目が高まっている。

パワーネット

キックバック性のある経編み素材
経編み素材の一種。細かいネット状の編み地で、伸縮性やキックバック(弾性回復)性、通気性に優れ、しわになりにくいといった特性を備える。ポリウレタン弾性繊維にナイロンやポリエステルなどを巻いた糸をメッシュ状に編み込んで作られる。体形補整用のファンデーションなどインナー素材のほか、スポーツ衣料や作業着、帽子や靴、ジャケットやパンツの裏地にも使われている。プリントやフロッキー加工などで表現も広がり、透け感のあるレディスのアウターをはじめ、タウン向けアイテムにも使われ始めている。

パーテックス®(PERTEX®)

アウトドアで支持厚い高機能・軽量素材
英国生まれの高機能・軽量素材。綿織物やパラシュート用ナイロン素材のメーカー、Perseverance Mills社が1979年に開発した。「Featherlight(羽のような軽さ)」「Packability(高い収納性)」「Downproof(ダウン抜けを防ぐ)」といった機能性に加え、その風合いや美しさが評価され、数々のアウトドアブランドに採用されている。ユーザー起点の物作りを一貫し、様々な超極薄素材が開発されている。この姿勢は、2005年にパーテックスを継承した三井物産アイ・ファッションに、変わらず引き継がれている。

百貨店

品揃え、対面販売の割合で専門店、量販店と区別
経済産業省の商業統計調査の基準で、百貨店は次のように定義されている。「衣・食・住の商品群のそれぞれが10%以上70%未満を扱い、売り場面積の50%以上において対面販売を行う業態」。小売業として商品の売買で売り上げ・利益を上げるが、専門店とは品揃え、量販店とは対面販売の割合で区分されている。百貨店の市場規模は1991年の9兆7130億円をピークに、現在は5兆円を割っている。

平場

仕切りを設けず、ブランドの垣根を越えて品揃え
百貨店や大型専門店などで、壁に沿って造られたいわゆる「ハコ」(箱型売り場)を除いた売り場のこと。ハコのような仕切りを設けず、全体を広く見渡せることから平場と呼ばれる。平場では一般に、複数のブランドを販売する。単一のアイテムで構成した単品平場、いくつかのアイテムを、統一したコンセプトやテイストで組み合わせたコーディネート平場がある。「元(もと)売り場」「プロパー売り場」とも呼ばれる。

ビエラ

起毛加工した綾織物の生地
viyella。経糸、緯糸ともに綿50%、毛50%の混紡糸(単糸)を用いて2/2の斜文組織でゆるく織り、起毛加工をした綾織物。毛織物の代表的な素材の一つ、フランネルに似た風合いを持ち、起毛素材ならではの柔らかなタッチや軽さ、膨らみ感がある。もともとは英国のウィリアムズ・ホリンズ社の商標。最近では綿100%の「綿ビエラ」や綿・リネン混のものが多く見られ、リラックス感のあるカジュアルウェアなどに用いられている。

ビキューナ

希少性が高い最高級の獣毛
南米の標高3700~5000メートルほどの高地の草原に生息するラクダ科の動物。ビクーニャなどとも言う。全身を断熱性に富む毛で覆われ、その毛から作られる素材は動物界で最も細いとされる。繊維長も長く、暖かく、肌触りの良さは動物性繊維の中でも群を抜く。最盛時は200万頭前後生息したが、肉と良質な繊維を得るために乱獲され、1960年代には1万頭以下にまで減少した。その後の保護政策で50万頭前後まで回復したが、希少性は依然高い。ビキューナ100%のジャケットやコートは数百万円で販売される。

尾錠

ベルトを固定させる金具
ベルトを固定させる留め金具の部分を尾錠と呼び、通常はバックルと言う。主流のピン付き型は馬具の締め金などに古くから用いられたものが原型で、日本では戦前から「帆型」と呼ばれていた。ほかにも食い止め型や、70年代に人気となり現在はスポーツベルトなどにも使用されるトップ尾錠もある。クールビズの普及で上着を着用せず、シャツとパンツ姿のビジネスマンが増え、ベルトの存在感が増している。

ビスコース

エレガントな光沢、フィット性が魅力
レーヨンの原料となるパルプに、苛性ソーダと二硫化炭素を加えてできた、粘り気のある液体を指す。これを使ってセルロースを繊維状に再生させる。この製法をビスコース製法と言う。繊維はビスコースレーヨン、単にビスコースとも呼ばれ、シルクのような光沢、肌触りの良さ、柔らかで体にフィットしやすいといった特徴がある。ワンピースやスカート、ブラウス、高級服地の裏地や高級下着にも使われている。ただし伸縮性はなく、水につけると強度が低下して縮み、また摩擦に弱い、水じみができやすいなどの欠点もある。

ビット

馬具のハミ
bit。馬の動きを制御するために口にくわえさせて手綱をつなぐ、くつわのハミのこと。ファッションでは、このビットの形をした金属製の飾りを指す。馬具商から出発した「グッチ」のビットモカシンが最初とされる。これが広がりトラッドスタイルの象徴的なディテールとなった。1970年代のニュートラブームで日本でもヒットし、様々なアイテムに使われた。2019~20年秋冬でBCBGがトレンドとなり、ビット付きのベルトなどが登場して久々に注目を集めた。

ピエロカラー

フリルたラッフルで飾った襟のデザイン
ピエロの衣装に見られるフリルを飾った襟のこと。ブラウスの首の回りを一周ぐるりとフリルやラッフルで縁取ったデザインで、ふわふわと揺れる様子が愛らしい。ロマンティックな雰囲気が楽しめる。最近では装飾性がトレンドとなる中で、注目のディテールとなっている。2017~18年秋冬はロシャスやニナ・リッチがピエロカラーのドレスやブラウスを発表。フリルカラー、ラッフルドカラー、さざ波を意味するリップルドカラーなど、さまざまな呼び名がある。

ピスネーム

ブランド名やメーカー名が入った四角の布片
pis name。衣服・アクセサリーに付ける小さな四角形をした布片。ブランド名やメーカー名などが入り、ネームタグと同じ役割を持つ。テープにインクで印刷されるプリントネームと、糸で織られる織ネームがある。ジーンズの後ろポケットの側面に挟み込んで付けられることが多い。米国でジーンズが誕生して広まった頃は護身用のピストルを入れていたことから、バックポケットはピスポケットと呼ばれていた。ここからピスネームと呼ばれるようになったとみられる。ジーンズではバックポケットの特定の位置にピスネームを付けることが多いため、「位置の商標」として登録されているケースもある。

ピッグスキン

日本で自給できる唯一の革
pigskin。豚のためし革のこと。通気性に優れ、薄く軽く、磨耗にも強い。バッグ、財布、手袋、ジャケットなどの衣類と幅広い用途に使われている。吸湿性となじみやすさから、靴の裏材としても多く使われる。食肉の副産物としての原皮調達からなめしに至るまで、日本で自給できる唯一の革。日本製は質が高く、オリジナリティーがあると評価され、輸出アイテムにもなっている。東京都墨田区に製革業者が集中している。

ピンホールカラー

襟の中央に穴を開けピンで飾る襟型
ドレスシャツの襟の中央あたりに小さな穴(アイレット)を開け、ピンで飾れるようにした襟型。カラーピンと呼ばれる装飾的な金属製の棒を用いるが、本来は安全ピンを使うのが正しい方法とされていた。ピンはネクタイの下側に通すのが原則。単に「ピンカラー」とも言い、米国では「アイレットカラー」とも呼ばれる。アイレットは「鳩目」の意味。

ファッションテック

新たなサービス・商品提供を促すテクノロジー
fashion tech。ファッションとテクノロジーを掛け合わせた造語。IT(情報技術)などを活用し、従来のファッション業界にはなかったサービスや商品を提供することを言う。フリマアプリやウェブメディアなどがある。消費者とのコミュニケーションや、アパレルの生産や流通の効率化を促すなど様々に活用されている。ファッションテック企業が多様な企業とつながり、大きな潮流になることが期待されている。

ファッションビル

ファッション店舗を中心とするSC
衣料品・服飾雑貨(ファッション)専門店を中心に構成する商業施設。百貨店などの小売業ではなく、施設を運営するディベロッパーと店舗を運営するテナントが不動産賃貸契約を結ぶSC(ショッピングセンター)に分類される。パルコ、ラフォーレ原宿、渋谷109などのほか、ルミネやルクア大阪などファッションを主力とする駅ビルも含まれる。主に都市中心部に立地し、若い女性客を中心客層とする施設が多い。食、コスメ、生活雑貨などファッション以外の店舗を拡大する施設も増えてきた。

ファーストシューズ

赤ちゃんが初めて履く靴
初めて靴を履かせる目安は、赤ちゃんが5~10歩ほど歩けるようになった頃で、一般的に1歳前後。まだバランスを取りにくく、足も発達しきっていないため、靴はハイカットで、靴底は柔らかくクッション性があり、履き口は大きく開き、面ファスナーを用いたものが良いとされる。最近では子供服ブランドやスポーツブランドが人気。一方、ギフトやインスタ映え、メモリアルを意識したフォーマルな本革やグリッターラバーのバレエシューズが雑貨ブランドで増えている。

フィッシングベスト

防水、多ポケットの高機能ベスト
魚釣り用のアウターベスト。防水加工された丈夫な生地が使われ、昔はオイルドコットンなどが主流だったが、現在は高機能な合繊が中心となっている。浮きや釣り針、重り、餌などを収納し取り出しやすくするため、多くのポケットが前身頃に付く。背中をメッシュにした通気性に優れたタイプもある。アウトドア用途だけでなく、メンズブランドからの提案も増えたことで、街着としてコーディネートに取り入れるようにもなってきている。

フィールドジャケット

バリエーション多彩、米軍由来の定番アウター
米軍が開発した防寒用の野戦服の総称。フードを内蔵したスタンドタイプの襟型のM‐65が代表的。丈夫さや機能性、デザインが人気を呼び、日本でも1970年代後半から街着として広まった。アパレルブランドやデザイナーが、その形を使ったアウターを作るようになり、現在も周期的にブームが訪れるなど、デザイン自体が定番化している。年代によってデザインやディテールのバリエーションがあり、2017~18年は襟元にフードが付かないM‐43タイプも人気となった。

複合施設

大都市部の大型開発の主流
商業店舗やオフィス、住宅など複数の異なる用途の施設が一つの建物やエリアに集積された施設。東京では商業施設、オフィス、映画館、美術館、ホテル、マンションが入る六本木ヒルズなどが代表例。商業店舗単独に比べ、幅広い集客が見込めることから、大都市部の大型開発の主流となった。百貨店が複合施設に再開発される例も多い。例えば、東京・銀座の松坂屋跡地に開業したギンザ・シックスは商業、オフィス、文化施設を複合している。

福袋

初売りや新年の目玉商品のパッケージ
百貨店や専門店などの初売りや新年に販売する目玉商品のこと。一般的には様々な物を袋詰めにした中身が見えない状態で選び、購入する。購入価格より高価な商品が入っていることが多いため、運試し感覚の商品として人気。もともとは福の神、大黒天が打ち出の小づちや米俵と一緒に抱えている幸運や幸福が入った大きな袋のこと。大丸の前身の大丸呉服店、明治時代に松屋の前身の鶴屋呉服店や松坂屋が、江戸時代に販売したのが始まりという説がある。現在は袋が透明で中身が見えたり、事前に内容が公表されているもの、体験型など多様化している。

フラッシャー

ジーンズに尻ポケットに付ける紙のラベル
ジーンズのヒップポケットに付く紙のラベルのこと。ブランド名やブランドのキャラクター、素材、形状、特徴などが記される。店頭でジーンズをたたんで置いた時などはアイキャッチとなるため、販促ツールとしても使用される。もともとは保証書のような意味合いが強かったが、店頭でどのブランドなのか見分けがつきにくいことから、ブランドの宣伝広告的な役割を持つようになった。フラッシャーは和製英語で、米国ではヒップラベルなどと呼ばれる。

フリース

ポリエステルの編み地を起毛したウェア
fleece。もとは牧羊1頭から刈り取られた、ひとつながりの羊毛のこと。アパレル業界では、ポリエステルの編み地を起毛した防寒着(ジャケットなど)を指すことが多い。1970年代に開発された。保温性が高く、軽量で、通気性と速乾性を備え、汚れても家庭で簡単に洗濯できるといった利点がある。そのため、当初はアウトドアブランドで取り入れられた。90年代後半になると、ユニクロが低価格でフリースを展開し、爆発的にヒット。以降、秋冬の定番ファッションアイテムとして定着した。

フルダル

光の透過や反射を防ぐ化学繊維
full dull。化学繊維のうち、つやを消したもののこと。原糸に酸化チタンやセラミックを多く練り込んでいる。白濁して光の透過や反射を防ぐことから、防透けやUV(紫外線)カットなどの機能を持つ。そのためレディスのシャツ地、ボトム地などに使われることが多い。強度が弱くなりやすいリサイクル糸では、練り込んだ成分がポリマーの結晶化を阻害してしまうため、フルダルの紡糸は難しい。最もくすんでいるものをフルダル、つやのあるものをブライト、中間のものをセミダルと呼ぶ。

フルフィルメントサービス

受注後の業務全般を代行すること
fulfillment。遂行、実行、実現の意。近年は通信販売やECで、商品受注後の業務全般を指す。業務とは入荷、商品保管、受注処理、ピッキング、検品、梱包、発送のこと。これらに納品後の返品や問い合わせなどの作業も含まれることもある。主に物流、倉庫業者が担っていた業務だが、最近ではフルフィルメントバイアマゾン(FBA)などEC大手も手掛けている。FBAは倉庫料、運送費、受発注作業が軽減される代わりに商品代金に応じた手数料を支払う。

ブラックタイ

タキシード専用の蝶タイ
黒の蝶ネクタイのことで、タキシード専用の黒絹使いのフォーマルタイ。ファッション用語では、タキシード(ディナージャケット)そのものを表す。公式レセプションなど正式な催しの際に、タキシードを義務づけるためのドレスコードでもある。パーティーなどの招待状に「ブラックタイ」の指定がある場合は、この種の服を着ていかなければならない。

ブランド

自社製品と他社製品を区別するための名称
自社の製品を自社以外の製品と区別するために付けた名称やシンボルなどのこと。語源は、飼育している牛に施した焼き印と言われる。ファッション業界では、ブランドビジネス、ラグジュアリーブランド、プライベートブランドといった使い方がされる。ブランドというと欧州のラグジュアリーブランドをイメージしがちだが、日本のアパレル企業のものもブランドであり、小売業が自ら商品を開発し名付けたものもブランド。ブランドには多くの意味が込められている。

ブランドポートフォリオ戦略

自社が持つ複数ブランドの特徴を区別して管理
brand portfolio strategy。英語のポートフォリオは書類を入れるバッグなどのこと。これが転じて、そこに収められた資料などの情報を指すようになった。ビジネスにおいては、企業や団体が所有する複数のブランドを体系化し、テイストやターゲット、販路などの特徴を区別しながら管理する戦略を意味する。複数のブランドを所有する企業が多くある中で、自社のブランド同士が競合し、販売効率や価値の低下を招くこともある。ポートフォリオ戦略により、このようなこもを回避できる。新ブランドの導入では、自社ブランドの空白を埋め、売り上げの拡大を狙うことも可能になる。

ブルーサイン

繊維業界の環境配慮型製造基準
繊維業界の環境保護と労働者、消費者の安全に関する基準。繊維製品の各生産段階で使われる糸や染料・添加剤、織布などの材料から、人の健康や環境に悪影響を与えると考えられる全ての物質の除去を目的とし、最も厳格な環境・安全標準とされる。スイスに本社を置くブルーサイン・テクノロジーが運営管理し、持続可能なサプライチェーンを経た製品に認証が与えられる。一定基準を順守する企業をシステムパートナーとして認定。欧米での認知度は高く、アウトドアアパレル、スポーツアパレルから、ファッションアパレルへの広がりも見込まれる。三井物産アイ・ファッションもManufacturerとして加盟している。

ブルーチェーンダウン(BLUE CHAIN DOWN)

使用済みの羽毛製品を再生
三井物産アイ・ファッションのブランド。国内で回収された使用済みの羽毛製品から取り出した羽毛を洗浄・精製加工した再生羽毛。

ブートニエール

ジャケットのラペルホール、または飾り花
フランス語でボタンホールのこと。ジャケットにあるラペルホール、またはそこに付ける飾り花を指す。19世紀の欧州では男性が求婚する時に女性に花束を贈る習慣があり、女性が受け入れる場合は花を一本抜いて男性のラペルに挿したのが由来と言われる。その後、求婚の有無にかかわらず、ラペルの穴に花を飾る着こなしが普及し、花をモチーフにした飾りも広がった。現在はジャケット用以外にも、飾りボタンとしてシャツに応用されている。

プチプラ

手頃な値段でかわいい、おしゃれなこと
プチプライスの略。安価であること、お値打ち価格であることなどを意味する和製外来語。「高級品ではないが、値頃で良い品」「手頃な価格ながら、かわいい、おしゃれ」というようなった肯定的な意味合いで用いられる。特に女性の衣料品、化粧品、雑貨などについて使われることが多い。ファストファッションブランドや低価格SPA(製造小売業)ブランドなどでまとめたコーディネートは、「プチプラコーデ」と呼ばれる。

PB

小売業が企画し自社の店舗で売るブランド
メーカーが自前のブランド名で多店舗で販売するNB(ナショナルブランド)に対して、PB(プライベートブランド)は小売業が独自ブランドとして自社の店舗で販売する。小売業が商品企画し、製造はメーカーに委託する。売れ残った在庫は小売店の責任となる。初期のPBの多くは価格を抑えることが目的だった。ファッションビジネス業界では、店のコンセプトや客層に沿って特徴や他店と差別化するために開発するケースが多い。自社(グループ)以外の小売業に外販するケースもある。

プラスチック・スマート

環境省が推進する海洋環境保全キャンペーン
プラスチックごみ削減のために環境省が始めたキャンペーン。個人や自治体、企業などの取り組みやアイデアをSNSやサイトで発信し、海洋プラスチックごみの削減と環境保全を進めている。キャンペーンのロゴマークは無料でダウンロードし、媒体に使用できる。サイトでは再生ポリエステルを制服に導入した自治体や、マイバッグ促進、廃プラのケミカルリサイクルといった企業の活動、各地の取り組みやアイデアを紹介している。

プラット式グッドイヤーウエルト製法

スニーカーのような履き心地を生む製靴法
靴の製法。グッドイヤーウエルト製法は、靴のアッパーとボトムをつなぎ合わせる製靴法の一つで、頑丈で、底を張り替えれば長く履き続けられる靴ができる。このメリットを生かしながら、弱点である重さと固さを克服し、底の返りが良くスニーカーのような履き心地を実現するのがプラット式。立体裁断の袋状のアッパーでクッション材を包んだ柔らかい中底を縫い付ける。中底の縫い代をリブ代わりにして手ですくい縫いし、それを出して縫い機でウエルトと本底を縫い付ける。ウエルトは、靴のアウトソールとアッパーの間に挟み込む細革のこと。

プランジネックライン

胸元から大胆に深く開けたVネックライン
プランジングネックラインとも言う。通常のVネックよりも、胸元をへそのあたりまで大胆に大きく深くV字型に開けたネックライン。プランジは「沈める、突っ込む」などの意味があり、原義は垂直、鉛直。プランジネックのドレスは、胸元の素肌をきれいに見せて、女性らしさやセクシーさを引き立たせたる。ギャザーや刺繍などの装飾を伴ったエキゾチックスタイルのワンピースなども提案されている。

プリント

染料や顔料で模様を描く
捺染(なせん、なっせん)と同義。型版を用い、糊(のり)と混ぜた染料や顔料を生地に付着させて柄を作る。最も普及しているスクリーンプリントでは、平板(フラットスクリーン)や円筒形(ロータリースクリーン)の型を使って、多くは機械式で生産する。いずれもスクリーンに彫られた模様部分を色糊が浸透する仕組み。多色プリントの場合は色数分の型を使い、柄を重ねて完成させる。最近では型を使わないインクジェットプリント方式も欧州などで広がっている。

プレタポルテ

卸し先から受注して生産する高級既製服
限られた顧客から注文を受け、手作業で製作した服であるオートクチュール(高級注文服)に対して、卸し先から受注して生産する服のことをプレタポルテ(高級既製服)と言う。注文服が主流の時代、既製服は大量生産の粗悪品のイメージがあったため、区別するためにプレタポルテという言葉が生まれた。オートクチュールのショーが主流だったパリ・コレクションも、1970年代からプレタポルテの規模が拡大。オートクチュールメゾンの減少もあり、現在はパリ・コレクションと言えばプレタポルテのコレクションを指す場合が多い。

PLM

製品の全工程を管理すること
Product Life cycle Managementの略で、製品ライフサイクル管理のこと。製造業が製品の開発期間の短縮や生産の効率化、適時の市場投入が行えるよう、企画・開発から設計、生産、出荷後のサポートやメンテナンス、生産・販売の打ち切りまで、全過程を包括的に管理すること、またはそのためのソフトウェアなどを指す。欧米のアパレル企業では一般的。日本ではOEM(相手先ブランドによる生産)が多いため注目度が低かったが、近年はアパレルメーカーや専門店による「直貿」が増え、PLMの導入・活用が増えてきている。

プロパー販売

当初設定価格で値引きせずに販売
商品を値引きせずに、製造・販売業者が当初に設定した価格(建値)で販売すること。正価販売とも言う。正価で販売する期間を長くし、売り上げ全体に占める比率が高まれば、製造・販売業者の利益率は上がる。しかし、ファッション商品ではECを含めて早い時期での値引き販売が常態化しており、業界全体の大きな課題になっている。

プロントモーダ

売れ筋を素早く企画するメーカー
イタリア語でpront moda。売れ筋情報などをもとにして、クイックに企画、展示会を開いて受注するアパレルメーカーのこと。トレンド性と手頃な価格が特徴。シーズンに先駆けてコレクションを発表するデザイナーブランドとは異なる。もともとイタリア・トスカーナ州の繊維産地、プラートなどが発祥とされる。同地は中国人などの移民が多く、彼らが1980年代に入ってプロントモーダ企業を多く興し、現在まで続いている。

返品条件付き買い取り

買い取り、でも売れ残りはメーカー持ち
買い取り制の一種。百貨店がプライベートブランドの企画・生産をアパレル企業に委託する場合や、専門店がアパレル企業から商品を仕入れる場合、事前に定めた一定の条件を満たす場合に限り、シーズン末に売れ残った商品をアパレル企業が引き取る取引形態。日本特有の取引慣行の一つ。売れ行きの悪い商品を別の商品と交換する条件も含む「返品・商品交換条件」もある。

ヘンプ

大麻から採れる地球に優しい繊維
アサ科の大麻から採れる繊維で、多孔構造で吸水・速乾性、調湿性に優れる。ヘンプは家庭用品品質表示法では「植物繊維」。「麻」と表示できるのは、アマ科のリネン(亜麻)やイラクサ科のラミー(苧麻=ちょま)に限られている。大麻は縄文時代から利用され、茎や種、葉、根など全ての部位が産業用途に活用できる。麻類の中でも栽培の環境負荷が低く、サステイナブル(持続可能)な素材として関心が広がっている。

ヘンリーネック

ボタンで留める丸首のデザイン
丸首のデザインの一つ。前身頃の首から胸元にかけて切り込みがあり、ボタンで留める。ポロシャツに似たデザインだが、襟が無い。生地に伸縮性があまりなかった時代に、着脱しやすくするために作られた。名称は、英国のヘンリー・オン・テムズで19世紀から毎年開催されているボートレース「ヘンリーロイヤルレガッタ」で、選手が着ていたシャツに由来する。

ベイカーパンツ

パッチポケットが特徴のワークパンツ
フロントとバックにパッチポケットがあり、バックポケットにフラップが付いたワークパンツの一種。パン職人(baker)が仕事用にはいていたことに由来するとされる。また、これを軍隊で雑役を担う兵士もはいたことから、ファティグ(fatigue=雑役)パンツとも呼ばれる。カーゴパンツに色や形が似ているが、太ももの両脇にフラップポケットが付いていないのが違い。ルーズなシルエットだけでなく、センターシームを入れてスリムに仕上げたタイプもある。

ベンチレーション

ファッション衣料へ広がる通気性機能
ventilation。風通し、通気、換気のこと。ファション用語では、スポーツウェアやワークウェアのほか、アウトドア系のナイロンパーカなどで着用時の蒸れの軽減や温度調節をするための機能を指す。例えば、脇の下のファスナー。最近ではファッションウェアにも、その機能性やデザイン性が生かされている。スポーツとファッションを象徴するディテールとして注目される。

BCBG

パリ上流階級のライフスタイル、着こなし
ベーセーベージェーと読む。仏語のボンシック、ボンジャンルの略語で、英語で言えばグッドスタイル、グッドクラスを意味する。パリの上流階級のライフスタイルや、それを背景にしたシックな着こなしのこと。フランス版プレッピーとも言えるトラディショナルでコンサバティブなスタイルで、2019~20年秋冬のトレンドとなった。トラディショナルな英国調チェックのジャケットにボックスプリーツの膝下丈のスカート、キュロットやボウブラウスといったアイテムを組み合わせる。

ペグトップパンツ

腰回りが独楽のようにゆったり
ペグトップは西洋ナシやイチジクのような形をした独楽(こま)の意。独楽の形のように、腰回りをゆったりとり、股上が深く、裾口に向かうにしたがって細く絞られるシルエットが特徴のパンツ。ペグトップトラウザーズと同義だが、特にカジュアルなパンツをペグトップパンツと区別して呼ぶことがある。同じようなシルエットが特徴のスカートはペグトップスカート、またはペグラインスカートと言う。

縫製の自動化

部分工程の自動化は普及
フラップなどを縫うパターンシーマー、ポケットを付けるポケットセッター、ベルトのループ付けなど、部分工程の自動化は普及しており、カーシートなど一部ではロボット化も進む。ただ、曲線などが多く素材が多様な大半の衣料に関しては、今のところ自動化は難しい。2017年に米国で完全自動化縫製ロボットの開発が報道されたが、現状の精度は未知数とされる。縫製の自動化よりも、インクジェットプリント、自動裁断機、ミシンなどを自動搬送でつなぐ省力化ラインの開発が先行すると見られている。

ホットパンツ

短いボトムで体を強調
70年代初頭、世界的にヒットした女性用のショートパンツのこと。極めて短いパンツで、ウエストから腰、足の付け根までぴったりフィットするシルエットが特徴。その後、80年代のボディコンブームでも流行した。2019~20年秋冬コレクションで体のラインを強調する80年代調のスタイルが広がり、トレンドアイテムとして久々に浮上。ふわっとしたブラウスに、ハイウエストをマークしたホットパンツ、足元はストッキングにサイハイブーツかパンプスを組み合わせるなど。

本切羽

ボタンを開閉できるスーツの袖口仕様
スーツの袖口の仕様。袖口のボタン穴を開けてボタンを留めたり外したりできるような袖口のこと。治療をする際に袖をまくる必要のあった医者のため仕立てたのが始まりとされる。本開きまたは別名ドクタースタイル(doctor style)とも言う。一般的なスーツは本切羽を採用しておらず、開くように見えても実際は開け閉めができない。最近人気のオーダースーツでは、有料オプションとして選べるようになっており、本切羽仕様のスーツは一格上の印象もある。

ホールガーメント®

自動で無縫製ニットを編み上げる
WHOLEGARMENT®島精機製作所オリジナルの無縫製横編み機。袖や襟などの各パーツを成型編みしながら、自動でかがることで無縫製ニット製品ができる。デザインにもよるが、シンプルなニットトップなら約30分で1着仕上がる機種もある。3Dバーチャルデザインのシステムも進化している。デザインや色柄などの変更、修正が画面上で簡単にできるため、初回サンプルの精度が高まり、サンプル製作の回数が減らせる。ホールガーメント機とオンラインでつなぎ、ニットの企画、生産、販売までの期間を短縮する動きが活発化している。

ボウ

蝶結び、リボン結びも「ボウ」
bow。蝶結びのこと。日本では一般にボウのことをリボン飾りやリボン結びなどと言うが、英語ではボウになる。ボウタイは日本では蝶ネクタイ、または蝶タイと呼ぶことが多い。自分で結ぶものと、結んだ形ができていて首の後ろで着脱するなどの簡易なタイプがある。襟からそのまま細長く伸びたリボン状の部分を結ぶレディスのボウブラウスは、クラシックでレディーライクなアイテムとして人気。

ボザム

ドレスシャツの胸の部分
bosom。胸の意味。主にフォーマル向けのドレスシャツの胸の部分を指す。タックやプリーツ、フリルで装飾したものが多く、プリーツを入れた場合はプリーテッドボザムと言う。胸をU字やスクエアに切り替えたタイプはスターチド(のり付けした)ボザムと言い、クラシックな礼服に見られる。切り替え部分にピンタックを配したり、別布にしたりと様々で、フォーマル以外でそのデザインを遊んだシャツもある。プリーテッドはタキシードフロントと呼ぶこともあり、日本語では襞胸(ひだむね)と言い、スターチドは烏賊胸(いかむね)と呼んでいた。

ボタニカル

ナチュラルな植物のイメージ
botanical。「植物の」「植物学の」と訳される。オーガニックが農薬や化学肥料を使わず有機栽培された植物を指すのに対し、ボタニカルは植物が本来持っている力を利用するという意味合いが強い。植物由来の成分を配合した飲料水やシャンプー、コスメなど多くの分野で使われるようになった。ファッションのボタニカル柄は、植物をモチーフにしたプリントで、花よりも葉や茎、つる、実が柄の主役となっている。花柄のような派手さはないが、落ち着いた大人らしさやナチュラルさを感じさせる。

ボディー

衣服の製作や陳列・演出に使う人体模型
洋裁で、人間の代わりに立体裁断などの衣服の製作やサンプルチェック、陳列に使う人体の模型。人台(じんだい)、ダミーなどとも呼ぶ。裁断や縫製をする時に、人の体に特有の共通の曲面や立体が必要な場合に使う。サンプル品を着せてチェックする工業(作業)用ボディー、陳列・演出用に店舗などが使うディスプレートルソーに大別される。性別と年齢によって体形が変わるため、青年男性用、シニア女性用など異なるボディーを使用する。ゆるみ入りのドレスフォームと、ゆるみ無しのヌードフォームなどもある。

ボディースーツ

水着のようなシャープなシルエット
体に沿ってぴったりとフィットするワンピースタイプの水着のようなアイテム。ストレッチ素材やネオプレン素材を生かして、シャープなシルエットを作る。2019年春夏はスポーティーな要素を取り入れ、都会的なイメージに仕上げる「アーバンモダニズム」がトレンドの一つ。そのスタイルのキーアイテムがボディースーツ。ボディースーツ以外にもボディースーツ風のセットアップやサイクルパンツを取り入れ、ドレスアップしてもアクティブに生活する女性像を表現する。

ポリエステル繊維

合成繊維の代表格
polyester fiber。合成繊維を代表する繊維。単量体がエステル結合で連結されたポリマーからなる。ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維などがあるが、一般的にはPET繊維を指す。1941年に英国のキャリコ・プリンターズ社が造出に成功し、47年に英国のICI社によって生産が開始された。西欧では「テリレン」(ICI社の商標)、アメリカでは「ダクロン」(デュポン社の商標)、日本では「テトロン」(帝人と東レの合同商標)などの名で知られる。

ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維

日本では合繊の生産量の約半分を占める
poly(ethylene terephthalate)fiber。エチレングリコールとテレフタル酸(またはジメチルテレフタレート)の重縮合で得られる熱可塑性樹脂のことをポリエチレンテレフタレート、略してPET(ペット)と言う。これを溶融紡糸で繊維化したものがPET繊維。ペットボトルの原料でもあり、衣料用では日本の場合、合繊全体の約半分の生産量を占める。汎用合繊の中では強度、耐熱性、寸法安定性などに最も最も優れ、衣料分野、産業資材分野ともに幅広く用いられている。

ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維

伸縮性に優れ、水溶性の汚れが浸みにくい
poly(trimethylene terephthalate)fiber。テレフタル酸と1,3プロパンジオールの重縮合で作るぽりまーからなる繊維。熱的物質や染色性がナイロン6とポリエステルの中間的な性質を持ち、ストレッチ性に優れる。水溶性の汚れが浸透しにくいことも大きな特徴。衣料や寝具、カーペットなどに多く用いられている。1,3プロパンジオールの工業生産技術の完成によって誕生した。

ポリ乳酸

トウモロコシ由来で生分解性を持つ
PLAとも言う。トウモロコシなど植物由来のポリマーで、繊維やプラスチック、フィルムなどに利用される。自然環境では水分によって加水分解され、微生物によって最後は二酸化炭素と水になる。バイオマスと生分解性を備えたエコ素材として注目されている。ポリエステルの一種に分類され、品質表示ではポリ乳酸。繊維ではティーバッグなど食品関連資材、土木・園芸資材、3Dプリント材料などに使われる。ただし、耐熱性が弱く染色やアイロン時の熱設定が難しいため、衣料用にはあまり使われていない。

ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維

ポリエステルとナイロンの中間的な物性
poly(butylene terephthlate)fiber。テレフタル酸と1,4-ブタンジオールとの重縮により得られるポリエチレンテレフタレートからなる長繊維糸。溶融紡糸で製造する。通常のポリエステルとナイロンの中間的な物性を示し、嵩高加工にした場合、弾性回復性が優れているため、ストレッチ性が求められる用途などに用いられる。

ポリプロピレン

スパンボンド不織布の需要が拡大
合繊の中で比重が0.91と最も軽く、水に浮く。吸水性がなく、撥水(はっすい)、防汚性などの特徴があるが、他の合繊に比べ耐熱性が低く、炭素と水素のみの化合物であるため、基本的に染色はできない。長繊維はカーペット、船の係留ロープ、建設現場の養生ネットなど、短繊維は主に不織布に使用される。スパンボンド不織布は、紙おむつや衛材、メディカル、生活資材用途で多く使われ、発展途上国を中心に世界で需要が高まっている。このためポリプロピレンを生産する国内合繊メーカーは、設備の増強を加速している。

ポンチ

緻密で型崩れしにくいダブルジャージー
ポンチ・デ・ローマ(イタリア語でPonti di Roma)の略称。2列配針の両面編み機で作るダブルジャージーの一種。両面編み(スムース)、平編み(天じく)、タック編みの三つを組み合わせたもの。横方向にあまり伸びず、緻密で安定感があり、型崩れしにくい。ミラノリブに似た弾力性と細い畝(うね)も特徴。編み方の変化がいくつかあり、「モック(模倣)・ミラノリブ」もポンチ・デ・ローマの一つ。ニットスーツやブレザーなどのアウターによく使われる。最近はパンツ向けも増え、軽いはき心地ときれいなシルエットを両立した商品として広がっている。